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胸くそ悪い「おもてなしの心」そんなもの日本人はとっくに忘れた

   閑話休題。滝川クリステルがIOC総会のプレゼンテーションでいった「お・も・て・な・し」という言葉が盛んに取り上げられている。おもてなしは日本人の美徳。外国から来た客人に日本人はおもてなしの心を持って接している等々。

   私などは、この言葉を久しぶりに聞いた気がする。客からカネをふんだくるための上辺だけの『おもてなし』は溢れているが、日本人の日常生活からおもてなしの心などなくなって久しい。たしかに、中国や韓国のぶっきらぼうで客を客と思わない接客態度に比べれば日本は比較的ましではあるが、今の年寄りにも若い奴らにも「おもてなしの心」などあるとは思えない。

   ひところ流行った「もったいない」「絆」という言葉もそうだ。今の日本人から失われているから、それを取り戻そうというならわからないでもないが、東京五輪で来る外国人はおもてなしを期待していると裏切られると思う。

   タレントがその場限りの美辞麗句を並べただけなのに、テレビに出てくる連中が「日本人は昔からそいうものを持っていたのよね~」なんていっているのを聞くと胸くそが悪くなる。どこにそんなものがあるんでござんしょう。

   安倍首相、消費税を上げるならいっそ「おもてなし税」とでも名付けたらどうだろう。わけがわからないが、案外スンナリ受け入れられるかもしれないよ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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