天理大柔道部の暴力行為で、新たな事実が明らかになった。先日まで主将で、先の柔道世界選手権で金メダルを獲った大野将平選手(21)も、前回の発表では「現場で見ていただけ」とされたが、実際は1年生を平手打ちしていた。
大学はこれまで、5~7月(2013年)に3回ほど4年生が1年生十数人に暴行し、1人が鼓膜が破れるけがをしたとしていた。しかし、報告を受けた全日本柔道連盟が再調査を指示し、部員約90人に聞き取りをした。
1年生25人集めてビンタや腹蹴り
大野が加わっていたのは5月28日で、「練習中にだらしがない」などとして1年生全員が集められ、大野ら4年生5人が1年生約25人をビンタ、腹を蹴るなどしていた。大野は1年生1人に2回平手打ちをしたという。
大学は4年生5人を30日の停学処分、2年生5人を同じく14日間、1年生2人を譴責処分にした。1、2年生は4年生にいわれて平手打ちをしていた。大野は5月10日に世界選手権の73キロ級代表になっており、暴力はそのあと行われていた。30日間の停学処分のうちの一人だ。
事件は暴行を受けた1年生が「辞めたい」と大学に申し出たことで明るみに出た。このとき、大野は現場にいたが止められず「ふがいなかった」と語り、大学は厳重注意処分として主将を解任。柔道部長も辞任している。今回の発表をみると、主将がやらせた可能性もうかがえるが、大学は否定している。
体罰問題になってる最中に平然と暴行…抜きがたい暴力体質
司会の加藤浩次「突発的なのか、伝統的にあったことなのか」
キャスターのテリー伊藤「調査は去年11月に大野選手が主将になって以後についてで、それ以前はわからない。本当は上級生に1年生のときどうだったと聞かないといけない」
加藤「ボクら学生時代に先輩にビンタ食らうのはあった。これズーッとやってきたとしたら、いつ切り替えるんでしょうね」
おおたわ史絵(内科医)「先輩後輩でビンタやゴツンとしながらやってきたから悪だといわれても、飲み込めない部分がありますよね。天理だって、結果的には強い部員を育てきた」
本村健太郎(弁護士)「日本は遅れているんですよ。ダメなものはダメ」
テリー「これだけ体罰がいわれているにもかかわらずやってる。何考えてんだといいたい。『辞めたい』といった1年生がいなければ、今も続いていた」
そう、日本では武道にかぎらず、野球でも何でも修行みたいな空気だった。しごきではあっても体罰でも暴力でもない。理屈に合わせるのも時間がかかるか。