国際オリンピック委員会(IOC)総会で、日本が東京開催とともに気になっていたのが、2020年の「最後の競技種目の決定だった。日本時間のきょう9日(2013年9月)早朝行われた投票で、レスリングと決まった。票数はレスリング49票(過半数が48)で、野球・ソフトが 24票、スカッシュは22票だった。
板橋のナショナル・トレーニング・センターで見守っていた吉田沙保里、伊調馨らレスリング選手たちから歓声があがった。アニマルトレーニングジムではアニマル浜口、京子の父娘がiPadで結果を知って躍り上がった。例によって歌ったり、「気合いだ」と大騒ぎである。
ルール改正、腐敗体質改善を積極PR
そもそもは2月、IOC理事会が何の前触れもなく「レスリングがオリンピックの『中核種目』から外れた」としたことだった。レスリング関係者は驚いたが、動きは素早かった。外された理由がルールのわかり難さ、古い体質、男女の差別などにあるとわかると、国際レスリング連盟が中心となってさっそくルールを改正、階級制も女子で増やし男子で減らすなど改革を打ち出した。また、5月の理事会に吉田選手が乗り込んで積極的にロビー活動を展開した。
しかし、レスリングへの風当たりは強く、最後のプレゼンでも、他の競技は5分程度だった質疑が20分にも及んだ。ポイントはメダルが売られたりしているという腐敗の問題。それとどこをどう改革したのかという追及だった。
福田富昭・日本レスリング協会会長とロンドンで金メダルの小原日登美選手は、ブエノスアイレスにいた。小原選手は「試合前より妙な緊張」と話していたが、決まってホッとした表情だ。
不明朗な選考基準
一方、敗れたスカッシュのランク1位松井千夏選手は横浜のパブリック・ビューイングで涙を流していた。「必ず夢は勝ち取れる」と将来への期待を語るのが精一杯だ。ブエノスアイレスで見守ったソフトボールの宇津木妙子元監督も、「最後まであきらめなかったが」と肩を落とした。
プロテニスプレーヤーの杉山愛「何を基準に選ぶのか、疑問が残りますね」
キャスターのテリー伊藤「最終的には利益をあげないといけない」
勝谷誠彦(コラムニスト)「矛盾してるよね。人気のあるものをやらないといけない」
司会の加藤浩次「ヨーロッパの目線、アフリカの目線、いろいろあるんでしょう」
たしかに、日本はレスリングで吉田らの3連覇をはじめ、通算28個のメダルと獲得している。勝てない国のIOC委員からは厳しい目を向けられる。
テリー「敗れた競技でも、東京が主催なんだから公開競技はできるのではないかな」 IOCがどう判断するか。まだ7年あるという見方もできる。