老舗漫画出版社「秋田書店」会社ぐるみの景品インチキ…脛に傷もつ出版社は戦々恐々
秋田書店といえば『少年チャンピオン』を出している老舗漫画出版社である。そこが「読者プレゼントの当選者を水増ししていた」ことが、元女性社員の告発によって明らかになった。だが、会社側は不正があるのを止めるよう訴えていた社員を逆に解雇してしまった。
そのうえ、秋田書店側は「元社員は、あたかも社内の不正を指摘し、改善を訴えたために解雇されたなどと主張しておりますが、解雇の理由は元社員が賞品をほしいままに不法に窃取したことによるものです。また、元社員は業務上ではなく、私傷病による休職です」と開き直っている。
こうした問題を出版社系週刊誌は、自分のところも脛に傷を持つからか扱わない。『サンデー毎日』が短い記事だがこう書いている。<この女性や女性が加入する労働組合「首都圏青年ユニオン」によれば、景品を盗んでいたどころか、不正をやめるように上司に訴えていたというのだ。上司は「この会社にいたかったら、文句を言わずに黙って仕事をしろ」と言い放ったという。
その後もパワハラは続き、睡眠障害などを発症した女性は、2011年9月から休職。懲戒解雇は休職中に行われた。同ユニオンの神戸紅事務局次長は「不正を強制されたのに、それに抗議した彼女に罪をなすりつけた。許されない」と憤る。(中略)
消費者庁の指摘に同社が不正を認めた期間に注目すると、女性が担当していた「ボニータ」では、11年2月号から12年5月号までとある。 11年9月に彼女が休職した後も延々と複数媒体で不正が続いている。そのことへの説明はない。(中略)
消費者庁幹部は記者会見で『個人の不正ではない。会社が組織ぐるみで行ったもの』と明言した>
凋落の出版界に、さらに追い打ちをかけるような恥さらしな『事件』である。だが、こんなことは日常茶飯事なのかもしれない。次に出てくるのはどこだろうかと、出版社の経営陣は戦々恐々なのであろう。