まるで日本列島全体が狂ってしまったかのようだ。名古屋はじゃぶじゃぶに水に浸かり、栃木では竜巻。2つは実は関連があって、九州に上陸して温帯低気圧になった台風17号と、本州東海上の高気圧のせいだという。どういうことか。
2日(2013年9月)に埼玉から千葉にかけて発生した竜巻に続いて、きのう4日は栃木が襲われた。午後零時すぎ、鹿沼市から宇都宮市、塩屋町、矢板市までの約30キロを通り抜け、約150棟が損壊した。局地的には強い雨もあったといい、家の中にいたらいきなり、というのもあったらしい。
名古屋駅前109ミリの猛烈豪雨たちまち水浸し
リポーターの阿部祐二が矢板市にいたが、相も変わらずカメラに写っている被害の様子をなぞるだけ。竜巻はとっくに消えているのにヘルメットをかぶっている。「何とかのひとつ覚え」。そういえば、東日本大震災のとき、スタジオでキャスターやアナウンサーに何日もヘルメットをかぶらせたバカなテレビ局もあったっけ。被災者はバカにされたような気になるだろう。
雨の方がまたすごい。台風が四国で温帯低気圧に変わって、西へ移動するにつれて強い雨域が近畿から東海へと移ったが、これが南北に長く、かつゆっくりで、それだけ雨量も増えた。
未明の宮崎から鳥取市、福山市、徳島市とどこも道路はひざくらいまで冠水して、車や自転車が船のように水の中を走っている。名古屋では1時間に 109ミリという猛烈な雨量を記録した。全域に避難準備情報が出た。名古屋駅前が一面水浸しというのには驚いた。大垣市では108㍉と観測史上1 位の記録となった。関市では女子中学生が流されて行方不明になっている。
南から湿った暖かい空気が大量吹込み
気象予報士の藤富郷は「低気圧と前線に向かって南から湿った空気が吹き込んだ結果」という。もうひとつ、本州東方の高気圧の吹き出しが、前線に湿った空気を吹き込んだのが、北関東の竜巻と雷、強い雨をもたらしたという。
司会の加藤浩次「名古屋で109ミリってとんでもない量じゃないですか。それが関東でも降る可能性はあるんですか」
藤冨は「低気圧がなくなるので、きのうほどにはならないでしょう」と説明した後、「局地的には(あるかもしてない)」という。低気圧と秋雨前線の雨は、きょう5日に関東に到達して終日続く見込みだが、すでに早朝、神奈川では1時間70ミリの雨を記録した。また、落雷で京王線、 小田急線、相鉄線などに影響が出ている。雨はあすまでにさらに関東で150ミリ、東海で120ミリが予想されるという。
これで少しは水がめの渇水状態が救われるのかどうか。といって、都市部がどしゃ降りになっても困る。難儀なことだ。