柔道の「暴力根絶」ははたして実現可能なのだろうか。この度は柔道の強豪、天理大学の柔道部で、問題の根深さを痛感させるような暴力行為が明るみに出た。
「柔道の暴力が問題になってるなかでこういうことが起きていた」(小倉智昭キャスター)ことは、ワイドショーでも大いなる驚きを持って迎えられた。
主将は世界柔道金メダルの大野将平「止められず申し訳ない」
天理大柔道部で5月(2013年)に複数の4年生部員が複数の1年生部員を平手打ちする暴力が発生した。その際、Aさんは鼓膜が破れる被害を受けた。制裁理由は、1年生が練習中に水を飲むなど態度がよろしくなかったことだという。
その場には、先の柔道世界選手権で優勝した主将の大野将平もいた。もっとも暴力行為には参加せず、「とめられなかったことが申し訳ない」と話しているという。
Aさんへの暴力はその後もとまらず、平手打ちや竹刀による暴行が少なくとも2回加えられ、Aさんは7月に退部した。
天理大柔道部部長はAさんが退部した時点で暴力行為などを把握したというが、大学当局側から問い合わせがあるまで報告していなかった。また、全日本柔道連盟にも伝えないまま、アンチ暴力を掲げた全柔連新体制で理事に就任していたという。
どうやら柔道から暴力を取り除こうとすると、柔道ごとなくなりかねないようだ。
文
ボンド柳生