2020年の五輪開催地決定まであと3日。招致レースは大詰めを迎えている。取材キャスターの奥平邦彦がIOC総会の開かれるアルゼンチンのブエノスアイレスから報告した。
「ゲートからは招致関係者が次々と姿を見せています」
体操の田中理恵、競泳の入江陵介らの姿が見える。ひと足先に現地入りした猪瀬直樹東京都知事は最終プレゼンに向けた公式リハーサルに臨み、「順調な仕上がり。80点くらい。あと20点、最後の詰めをやります」と自信を見せていた。
海外メディア向け会見も「汚染水ダダ漏れ」に質問集中
日本時間のきのう4日(2013年9月)に開かれた海外メディア向け記者会見で質問が集中したのは、もっぱら東京電力福島原発の汚染水問題だった。竹田恒和理事長は「安倍首相が責任を持って対処します。現在の東京の放射線値はロンドン、ニューヨーク、パリなどその他の大都市と変わりません。完全に安全です」と強調していた。G20出席後に合流する安倍晋三首相もきのう4日、「汚染水問題の懸念が上がっていますが、7年後の2020年にはまったく問題がないということをよく説明していきたい」と話していた。
司会のみのもんた「日本からちょうど真裏というと怒られるかな。遠いねえ」
納得させられるか?安倍首相が現地入りして安全説明
奥平が新聞紙面を広げながら報告する。「さきほどまでイスタンブールとマドリードの記者会見に出てきましたが、記者の質問、厳しいですね。イスタンブールに関してはドーピング問題の対応、マドリードに関しては経済状況が本当によくなるのかという質問が出ていました。東京について現地でどのように報道されているかと言いますと、アルゼンチンの主要紙ですが、オリンピックの話よりも汚染水の処理問題が大きく取り上げられています」
横位置の日本の新聞では3段相当のかなり大きな写真付きの記事で、「内容は、氷の壁をつくり汚染水を遮蔽するために使おうとしている、などとかなり細かい記述が出ています。きのうの会見で竹田理事長は、この問題は安倍首相がプレゼンの際にきちんと説明しますと言っていました。とにかく、あす以降ますますヒートアップしていきます」
政府がつい2日前に汚染水対策をまとめたのも、こうした各国の懸念を払拭し安全をアピールするためだったのだろう。海外の関心は高く、相当細かく見ているようで、どこまで説得力があるのか。英国のブックメーカーによると、東京1.62倍、イスタンブール4.0倍、マドリード4.0倍と東京が大本命だが、前回、前々回ともトップだったところが落選している。