「まさに不祥事ですね。波紋が広がっています」と司会のみのもんたが伝えたのが、天理大学柔道部の暴力問題だ。柔道界の暴力根絶が叫ばれていた最中の今年(2013年)5月から7月にかけて、4年生部員が1年生部員10数人を平手打ちにして、うち1人に鼓膜が破れるけがを負わせたり、木刀で尻を叩いたりしていた。
「世界柔道」金メダル・大野将平も暴行現場にいた!
大学は事態を把握していたが、きのう4日(2013年9月)に報道されるまで公表していなかった。藤猪省太柔道部長も全日本柔道連盟に報告しないまま、8月21日(2013年)に出直しの新体制となる全柔連の理事に就任していた。天理大学はこれまで五輪の金メダリストなど多くの有力選手を輩出した名門だ。その名門で暴力問題や隠蔽が指摘されるよう事態が起きていたということは、この問題の根深さを改めて浮き彫りにする。
これに加え、新たにわかったのが、この暴行の現場にブラジルで開催された世界柔道選手権で金メダルを獲得して帰国したばかりの柔道部主将の大野将平選手が居合わせていたということだ。きのう4日の会見で山田常則副学長は「本人が同席していたようで、その行為を止められなかった自分がふがいない、申し訳ないと申しております」と述べたが、主将が止めようとすれば、止められたのではないかという疑問は残る。
やる気疑われる全柔連の体質改革
藤猪部長は会見で「部内で収めて隠蔽しようとしたのか」と問われ、隠蔽については否定し、「本当はいけないことですけど、余計なことをいってはいけないと思い、一応、大学の指示に従ってということで、結果的には(報告)が遅かったと思う」と述べた。
みの「こういうことが起きると、隠蔽とか隠すとか、そういう気持ちが強く出てきちゃうんですね」
コメンテーターの小松成美(ノンフィクション作家)「気になったのは、大学の指示に従ったというコメントがありましたよね。ということは、組織的な隠蔽体質があるのかもと…」
金井辰樹(東京新聞・中日新聞政治部次長)「会見からすればそうですよね。それと、余計なことを言ってはいけないと思ったという発言は信じられません。ただ、この問題は天理大学の不祥事というより、全柔連の不祥事と考えた方がいい。暴力問題を見抜けずに、その指導者を理事にしたところに一番の問題があると思います」
全柔連の近石康宏専務理事は「暴力追放の最中にこうしたことが起こっていたと非常に憤りを感じている」と語っている。