東京電力福島原子力発電所での放射能汚染水漏れはほとんど打つ手がない状況だ。東電はきのう3日(2013年9月)、汚染水を貯蔵しているタンク4基周辺から毎時2200ミリシーベルトの高い放射線量を確認にしたと発表した。人間が浴びたら数時間で死ぬレベルだ。こんな高濃度汚染水が海にまで流れ出し、止めることができないでいる。
安倍首相は今後の汚染水処理は470億円の予算をかけて、国が前面に立つという。しかし、止める手だて当てがあるわけでもない。海外から手をこまぬいている日本政府への不信が強まって、「とにかくなんかやっているところを見せなくては」というところなのだろう。「朝ズバッ!」に相澤善吾東電副社長が出演して、汗だくで弁明に努めた。
1日1000トンの水が湧き出し300トンが汚染
安倍内閣が470億円をかけてやろうとしているのは、地中に凍土の壁を作り地下水が原子炉建屋などに流れ込まないようにすること、汚染物質を浄化する装置ALPSを改良することの2つだ。しかし、凍土の壁はこれまで長期間にわたって使用されたことがないうえ、ALPSを改良しても放射性物資トリチウムは除去できない。国が前面に立てば、もう大丈夫ということでは全然ないのだ。
司会のみのもんたは相澤副社長に聞く。「いまでもどのくらいの地下水が事故を起こした原子炉に流れ込み、このうちどれくらいが汚染されると見ているのですか」 相澤「1日1000トン前後の地下水が湧き出ています。このうち、およそ300トンが汚染されると考えています」
みの「この地下水の問題は、2年半前の事故直後から分からなかったのですか。それとも最近までこの情報を抑えていたのですか」
相澤「事故直後は事故を起こした原子炉建屋に水が溢れていました。とにかく原子炉を冷やさなくてはいけないと水を注入していました。その後、注入した汚染水をどう処理するかで貯蔵タンクを早く作らねばと考え、原子炉に降った雨水と汚染水の区別もしにくく、ついつい地下水問題への対応が遅くなりました」
「タンクの耐用年数5年のはずが2年でダメに。原因を調査中です」
みの「事故直後に東電は国と一緒になり汚染水を海に流していた。それが国際的批判を浴びてタンクに貯蔵となった。タンクの建設を本格的に始めたのはいつからですか」
相澤「事故が起きた年の夏ぐらいからです。秋にはかなりのタンクが完成しました。原子炉建屋の中に溜まっていた汚染水の貯蔵を重点的に行いました」
みの「このタンクは金属板と金属板を重ね合わせている構造ですから、いつかはもれると考えなかったのですか」
相澤「現在のタンクは金属と金属を合わせて、それをボルトで締めて隙間にはパッキンを入れ、このパッキンは水に触れると膨らんで防水する構造になっていました。5年は大丈夫といわれていました。それが2年でダメになった。なぜ、こんなことが起きたのかを調査中です」
つまり、もともと5年しかもたないタンクで、では、5年後に貯蔵汚染水がゼロになる見通しがあったのかというとそうでもない。
みの「今後は国が前面に出る。東電には任せておけないというニュアンスで話していますが…」
相澤「国の支援を受けられるということはとてもありがたいことです。でも、そのために国民からの税金が使われる。私たちはこれまで以上にさまざまな試みや努力をしなければならないと考えています」
早い話が、税金でやるか電気料金でやるかの違いで、負担するのは国民だ。ただ、これからは東電管内の国民だけじゃないけどね。