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消費税増税で兜町「狸の皮算用銘柄」バーコード業界、テレビCMでおなじみ勘定奉行

   『週刊新潮』が「知らないと利を逃がす『消費税増税』特別講座」をやっている。こういう特集には正直興味はないのだが、「兜町が仕込み準備を始めた特需確実な5つの増税関連銘柄」に惹かれて読んでみた。

   ダントツ投資研究所の夕凪所長によれば、<「バーコード機器やシールなどを製造販売するサトーホールディングスは、増税の恩恵に与る企業です>

   あまり聞きなれない会社だが、バーコードプリンターの国内シェア約40%という『隠れた大企業』だ。大手証券会社幹部が解説する。<「同じくバーコード事業を手がける東芝テックも狙い目です。バーコードプリンター事業の国内シェアは約20%。サトーホールディングスの後塵を拝していますが、コンビニなどのレジでバーコードを読み取り、売り上げを集計するPOS端末の国内シェアでは50%%を超えている。サトーホールディングスよりも、値上がりの期待できる銘柄でしょう」

   印刷業界のガリバー・大日本印刷も増税関連銘柄の一つだという。<「大日本印刷は、バーコード印刷の特殊技術を持っています。価格表示の変更で、通常の印刷業務でも好調が期待できる。安定株主が多いので驚くような株価高騰は期待できませんが、堅実に株価が上昇するはずです」(大手証券会社幹部)>

   また上には上がいるという。消費税が3%から5%に引き上げられたとき、NTTデータの株価は大日本印刷のそれをはるかに上回っていた。経済ジャーナリストの福山清人氏がいう。<「当時、 NTTデータの株価は1株337万円でした。それが半年で200万円以上も値を上げて、552万円にまで高騰したのです」>

   今回NTTデータに匹敵しそうなのは、「勘定奉行」シリーズでお馴染みのオービックビジネスコンサルタントだ。<「会計システムをオービックに変更する企業は多く、兜町イチ押しの銘柄になるかもしれません」(大手証券会社幹部)>

   だが、増税は必ず景気回復の足を引っ張るはずだ。ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏はこう語る。<「今回も、増税によって経済成長が失速する、との見方広まれば、株価は、当然下落していきます。日本の潜在成長率は年1%以下と言われていますが、今年4~6月は、実質年2.6%という高成長率を記録しました。増税で落ち込む成長率を、この水準まで戻すのはかなり難しい」>

   増税によってアベノミクスが正念場を迎えることだけは間違いなさそうだ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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