国産新型ロケット「イプシロン」の打ち上げが、発射予定のきのう27日午後1時45分(2013年8月)の19秒前に中止になった。現地の鹿児島・肝付町、東京・日本科学未来館のパブリックビューイング、ネットウォッチャーなど全国5万人から失望のため息がもれた。
こうなると、ニュースと違ってTVのワイドショーは大変だ。「スッキリ!!」も秒読みの「3、2、1、ゼロ」となったあとの「……」からはじまった。「えっ、飛ばないの」。2分後に「問題が生じたので、本日の打ち上げは中止します」というアナウンスが流れ、「がっかり」「悲しい」と涙ぐむ子もいる。近くのキャンピングカーの中には、東京から来た家族もいた。
鹿児島名産・黒豚使った自信作だったが…
内之浦宇宙空間観測所の打ち上げ地点周辺には6か所の会場が用意され、1万5000人が集まった。発射台が見える宮原は27倍という抽選になった。内之浦漁港には続々と観光バスが到着し、テントもある。パブリックビューイングのスクリーンもあって、発射の模様はこれで見て、あとろから本物が空へ上っていくという寸法だ。
早朝からの強い日差しの中を大勢が待ったが、小学生が1人、「飛ぶかどうか心配」というのが言っていたのが皮肉だった。町中がお祭り騒ぎで、長い行列は何かと思ったら、町観光協会が作ったイプシロンの関連グッズだった。町特産の黒豚などを使った弁当「イプシロンの里」はたちまち完売。わざわざ写してみせたが、生姜焼きが1枚ペロンとご飯の上に乗っかっているだけの弁当だ。食べてる見物客も「ロケットの形した玉子焼とかが入っているのかなと思ったんですけどね」
発射中止だけでなく、弁当にもがっかりだろう。