漫画家・中沢啓冶さんの代表作『はだしのゲン』を閲覧制限するよう要請した問題で、松江市教育委員会はきのう26日(2013年8月)、臨時の会議を開き要請の撤回を決めた。市教委事務局が教育委員や学校現場と協議せず独断で要請を決定していたため、手続きに不備があったとして、学校の自主性に任せることになった。「早ければ夏休み明けにも、児童、生徒の皆さんは読めるようになるんじゃないかということです」とアナウンサーの小林悠が伝えた。
全国的注目集まって本の注文殺到
閲覧制限のきっかけは、昨年(2012年)の夏、「子どもたちに間違った歴史認識を植え付ける」として、小中学校から作品を撤去するよう陳情があったことだ。市議会は全会一致で不採択としたが、市教委が旧日本軍の残虐行為などの描写に過激な部分があるとして、読むのに教師の許可が必要な閉架措置とするよう学校側に要請した。
司会のみのもんた「この問題の根底にあるのは何ですか」
コメンテーターの柿﨑明二(共同通信編集委員)「撤回自体はいいんですけれども、制限の是非に踏みこんでいない。結局、決着をつけていないんです。この本が読めないとすると、ほとんどの本が読めなくなる。いろんなサイドから文句が来て、そのたびに対応していたら同じようなことが起きる。だから、表現の自由も含めて、制限の是非を判断してほしかった。これでは事なかれ主義です」
潟永秀一郎(『サンデー毎日』編集長)も「事なかれで終わっちゃったなと。いまの教育現場はこうなのかと思いますね」
みの「未成年に公序良俗に反するものを見せるのはそれは良くない。でも、これは意味合いが違う」
小林アナが付け加えた。「今度の騒動を受けて、この本自体の注文が相次いでということです。全国的に注目度が高まったということは言えると思います」
結果として、より多くの子どもたちに読まれることになったわけだ。