番組冒頭で、司会の小倉智昭が「朗報が入ってきました」と力を込めたのは、野球の話であった。日米通算4000本安打の偉業にあと3本と迫っていたイチロー選手が2本のヒットを打って、王手をかけたというのだ。しかし、それはダブルヘッダーの1試合目のことで、番組開始と同時にはじまった第2試合目で大記録達成の期待がふくらんだが、イチローの先発出場はなく、「なんで出さないの」「出してやってよ」と、小倉は球団にクレームを付けるなど、おおいに熱弁をふるった。
小倉智昭「あんた、なんか恨みあんの?日本国民みんな待ってる」
野球が国民的娯楽の王座から陥落して久しいせいか、ワイドショーでは年々野球に無関心な(あるいは無関心なことを隠そうとしない)コメンテイターが増え、野球好きとの落差が激しくなっているように見える。
ジャパン代表ともなれば、関心があって応援している風を装わねばならぬという暗黙の了解があるようだが、一野球選手や一球団のハナシとなると、無関心そうな態度をオモテに出してもどうってことはない。
コメンテイターのデーブ・スペクターは「(そのまま)年内にヒット出なかったら、洒落にならない」「引退したら、またスゴイ」などとテキトーなコメントをして、小倉を「アンタ、なんの恨みがあってそういうこと言うんだ。日本国民がみんな待ってるのに」と苦笑させていた。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト