今年5月(2013年)、司会のみのもんたが福島原発に行ったとき、案内した東京電力の担当者は建造中のタンクを指して、「このタンクの耐用年数は5年です。タンクに(放射能)汚染水を限界まで貯めても、5年間は持つような構造になっています」と胸を張っていた。
その3か月後、そのタンクから300トンという大量の高濃度汚染水が漏れていた。「朝ズバッ!」は「けさの顔」コーナーと「ズバッ!8時またぎ」コーナーでこの問題を取り上げた。
東電だけでは手に負えない事態。責任持ちたくない政府・役人
井上貴博アナはこう伝える。「問題を起こしたタンクについては、以前から造りが甘いのではという疑問符が付けられていました。しかし、東電は時間がないからとタンクの建造を急ぎました」
みの「タンクやパイプから水は漏れるものです。僕が行ったときも、パイプの継ぎ目から水が漏れていて、その場所をビニールで巻いただけという驚くべき光景だった」
コメンテーターの野村修也(弁護士)は「東電はこれだけのことが起きても、まだタンクは組み立て式のまま、汚染水が洩れない構造になっていると主張しています。どこまで信じられるんでしょうねえ」と語る。
片山善博(元総務相)「もう東電だけでは手に負えない段階に来ているんですよ。積極的な政府の関与が必要ですが、政府内部や官僚の中に、政府が乗り出して何かが起きれば責任は自分たちが取らされると抵抗する勢力がいるんです」
逢坂ユリ(資産運用コンサルタント)「なぜ最初の発表で少なめに言ったのでしょうか。言う事が変われば、経済にも大きな影響を与えます。すでに、海外から福島空港へのチャーター便はやめようという話も出ている。中国や韓国とも海で繋がっており、大きな国際問題になりかねないですよ」
「どんなタンクも必ず漏れる」を前提にして対策急げ
ゲストのエネルギー総合工学研究所の内藤正則氏が、なぜ汚染水漏れが起きたのか解説した。「組み立て式ではなく、溶接を使用したタンクなら漏れは少なくなります。しかし、それが完成するまでには2年前後かかります。また、溶接でも絶対に洩れないということはありません。洩れるということを前提に対応する必要があります」
みの「漏水はタンクを取り囲む堰の排水溝の弁が開いていたからといわれていますが」
内藤氏「弁を閉めたままだと、堰の内部に溜まった水が雨水なのかタンクからの漏水なのか分からなくなります。それで、開けたままにしたのだと考えられます。弁の使い方の研究不足だったという点は否めません」
福島原発敷地内には汚染水漏れを起こしたのと同型のタンクが350基ある。