「自省を込めて書き記す」と、朝日新聞の高校野球担当記者が仰々しく書いている。今年(2013年)の全国高校野球選手権記念大会が始まる前に朝日新聞スポーツ部の担当記者が話し合い、「優勝に最も近いチーム」として選んだ5チームが、3回戦が終わったところですべて敗退したのだ。初戦で姿を消したチームもある。「記者として眼力がないとお叱りを受ければ、素直に頭を下げるほかない」。だが、高校野球というもの、何が起こるかわからないのが魅力だ。けさ20日(2013年8月)の「おでかけ前の朝刊チェック」コーナーで「みのイチオシ」として取り上げたのは、『スポーツニッポン』の「ミラクルサヨナラ」という記事だった。
前橋育英「9回2アウト走者なし」から奇跡の同点、延長逆転サヨナラ
「今回も涙の逆転劇がありました」と小林悠アナが伝える。前橋育英と常総学院の対戦で、2点を先行された前橋育英は9回2死走者なしという絶体絶命の窮地に追い込まれたが、二塁ゴロ失策をきっかけに好機をつくったところで同点打が飛び出し、その勢いのまま延長10回サヨナラ勝ちを決めた。常総学院には不運があった。熱中症の影響なのか、9回途中まで無失点に押さえていたエースの足がつり、降板せざるを得なかったのだ。前橋育英は初めてのベスト4進出を果たした。
小林アナ「常総学院のエースの交代に涙した方も多かったのではないかと思います。本人はまだ投げられますと泣きながら叫んでいたようですが」
コメンテーターの潟永秀一郎(『サンデー毎日』編集長)「未来のある選手ですから、ここで身体をこわしたら何もならないし、良く投げましたよ。エラーもちょっと不規則バウンドしましたよね。甲子園はこれで終わりかもしれないが、人生はまだまだこれから続くわけだから」
三屋裕子(スポーツプロデューサー)「どんな慰めをいっても彼らには悔しさが残ると思いますが、野球は終わらないのだから、これを糧として今後頑張ってほしい」
司会のみのもんた「過去の夏の甲子園にどれだけのドラマがあったか、それを全部集めたら100年ぐらいかかる。それぐらい名場面、名シーンがありました」
杉尾秀哉(TBS解説・専門記者室長)「まさかこれは起こらないと思うことが起こるのが、夏の甲子園」
きのう(2013年8月19日)の準々決勝4試合すべて1点差の熱戦だった。きょう20日は休養日。あす21日に準決勝、決勝は22日の予定だ。