消費税増税を判断する重要な指標であるGDP(国内総生産)の4~6月期一次速報が発表され、実質経済成長率は前期より年率2.6%増となった。消費税増税は予定通り来年4月(2014年)3%上乗せか、小刻み実施か、それとも見送りか。
肝心の企業の設備投資がマイナス
成長率を押し上げたのは、GDPの6割を占める個人消費と円安による輸出の伸びだ。個人消費は高級品を中心に0.8%伸び、輸出は3.0%増、輸入も1.5%増となった。しかし、本格的な景気回復につながる設備投資は0.1%減と6四半期連続してマイナスである。先行きの不安からか個人の住宅投資も0.2%減となった。
消費増税法は増税の条件に「経済状況の好転」を挙げており、その好転の目安として2011年度~2020年度の10年間の平均で「実質2%の成長」としている。今回の成長率はその目安に近づいたわけで、増税に踏み切りたい甘利明経済再生担当相は「引き続きいい数字が出ているという認識だ」という。
もっとも、政府内には増税慎重論も出ている。安倍政権の経済ブレーンである浜田宏一内閣官房参与は、政府に気がねしながらも「消費税を上げたら景気の腰を折る危険が多少ある」と慎重姿勢を示した。
文
モンブラン