なにやらとんでもない才能が現れたようだ。お笑いコンビの中川家の礼二がおばちゃん風に登場して、司会の加藤浩次が「大坂のおばちゃんやないか」と合わせる。「ここ 『アーティスト』のコーナーでしょ。私の知り合いでええ子がおるんよ、見てほしい」。これが本物だった。
11月デビュー「さよならは涙に」NHKグランドチャンピオンの実力
徳永ゆうきといって、演歌・歌謡界の新星というふれこみだ。18歳。以前、「ナゾの男」コーナーでチラリと見たキャスターのテリー伊藤が、「いいキャラ クターだね。スタジオ来て欲しい」といっていた青年だ。これを中川家も応援しているという。
17歳だった昨年3月(2012年)の「NHKのど自慢チャンピオン大会2012」で、大川栄策の「はぐれ舟」を歌ってグランドチャンピオンになった。圧倒的な声量と歌唱力。その後も、関西の芸能大会などに出演して注目を集めていた。
この若さで演歌というのが面白い。祖父と両親の影響だというが、レコード会社が放っておかない。この11月にデビューが決まって、先月は記念イベントを行った。そこで阪神電車の車掌のものまねを中川家・礼二とやってみせて大ウケだった。
というわけで登場した徳永は水兵さんの格好。「デビュー曲のイメージです」という。歌手というよりお笑い系統の顔立ちなのだが、テリーが「ホントに凄い。野球で松井選手を初めて見た時、ああいうイメージ」という。
加藤「そこまで言う?」
テリー「彼は特別。10年に1人」
礼二「よかったやないか」
加藤「松井と一緒だよ」
本人は「どうしましょう。頑張ります」とオドオドしている。プロフィールの紹介で、のど自慢に話が及ぶと、どうしたことか香山リカが「歌唱力が飛び抜けていたんで、文句なしに優勝だった」という。審査員ででもあったか。
お笑いもいけそうな鉄道ものまね「大阪駅の駅員」「新幹線のトイレの音」
鉄道ファンで、これが中川家・礼二との接点らしい。カメラを持って追いかける「撮り鉄」だという。撮った写真も見せたが、画面説明に「阪神電車」とあるのを「これ近鉄電車なんです」と非常にマニアックだ。
特技が「鉄道モノマネ」というのもまた面白い。「JR大阪駅の駅員」「阪神線の車窓」「独特の間がある車掌」「ベテランの車掌」「新幹線のトイレの音(礼二伝授)」などが持ちネタという。加藤が「ベテランの車掌」を注文した。「声が低くて何をいってるかわからない」と前置きして始めたが、見事にうまい。礼二が電車のレールの音を入れて、まったく大阪の電車の雰囲気だった。
もうひとつ、「トルコ行進曲に合わせて指パッチン」というのがあった。音楽が流れると、それに合わせて指を鳴らす。これまた見せる。新しく覚えたといって、炭酸の缶を開ける「プシュッ」というのもやってみせた。
そして歌った。まず坂本九の「上を向いて歩こう」。これはオリジナルよりずっとのびやかだ。デビュー曲の「さよならは涙に」について、テリーは「神様がくれたね、いい声を」、加藤は「なんか懐かしい感じがする」と讃嘆する。さてどうなるか。声だけいい歌手ならいくらでもいた。