どうも根拠薄弱…「週刊現代」のオリンピックは東京に決まった!
このところの『週刊現代』の「蛮勇」には驚かざるをえない。先にも書いたが、アベノミクスで株高・円安が始まった頃、いち早く株を買えと煽り、一時は日経平均株価が4万円もあるぞ!と大きくタイトルを付けて、直後に株の下落が始まると、今度は一転して株を買うな、アベノミクスは危ないという記事を読者への説明責任なしに始めた。
それから比べると、今回の「スクープ 大逆転!2020年オリンピック 東京に内定」はそれほどの大博打ではない。候補地はトルコのイスタンブールとスペインのマドリードと東京の3都市だけだから確率は3分の1。悪い賭けではないが、私は猪瀬直樹都知事の他の候補地を「批判」する発言があり、東京の確率は少ないと思っている者には意外な報道だ。
さすればよほどの根拠があるのかと読んでみたが、どうしてこれで東京に内定したといえるのか、という内容である。要は招致推進議員連盟の会長を務める麻生太郎副総理兼財務大臣が<「確たる情報を得ているのでしょう」>(週刊現代)というだけなのだ。9月7日のIOC総会の投票で決定されるが、大勢は決したと、財務官僚たちが開催決定を前提に動き出しているというのである。
イスタンブールはトルコ情勢が不安定なため、私もどうかなと思っているが、マドリードがダメだという理由の中に<スペインでは7月24日に列車事故が起き、79名もの死者を出したばかり。(中略)オリンピックにおける大量の人員輸送を考えれば、鉄道の安全対策不備は大きなマイナス要因となった>(週刊現代)というのは肯きがたい。東京だって福島第一原発事故の影響で放射能汚染の心配がある。外国から見れば、福島と東京は指呼の距離であるはずだ。
誌面の大半は、決まったとしたらどんなことが起きるのかということに割かれている。前提があやふやなので、これ以上読み進める気にならない。東京の可能性はゼロではないと思うが、合併号の巻頭特集としてはいかがなものであろうか。週刊現代OBとしては、当たることを祈ってはいるのだが。