うどんの本場・讃岐で、捨てられたうどんを発酵させて電気を起こすという「うどん発電」の話を、きのう7日(2013年8月)に司会の加藤浩次が紹介した。「スポーツ報知」の短い記事だったが、西村綾子レポーターがきのう現地を訪ねていた。
お話は、残飯やうどんの切れ端を酵母で発酵させてエタノールを蒸留し、さらに残りかすからメタンをつくって発電するというものだった。すでに高松市内に発電プラントができているという。そんなにうどんが捨てられているのか。
捨てる量もダントツ日本一の香川県!8月末には実用化
西村は高松市内のうどん屋で、冷やしのぶっかけを注文して時間を計った。あっという間に出てきて、14.7秒。なぜこんなことができるかというと、カウンターで客が待っているセルフ方式なので、客が来てからゆでていたのでは間に合わない。前もってゆでておく。
讃岐うどんは歯ごたえがいのちで、腰が強いので20分はゆでないといけない。
ゆでたものをいったん冷やして、客を見てまた熱湯を通す。しかし、客が途絶えたら腰がぬけてしまう。歯ごたえを守るために、20分経ったものは捨てるのだという。切れ端もむろん捨てる。
香川県は年間のうどんの生産量が4万7080トンで、2位の埼玉の倍近いというダントツの日本一だが、捨てる量も県全体で年間6000トンと、これまたダントツらしい。だいいち、他所の県ではそんな理由では捨てない。
発電のアイデアは県の産業技術センターが出して、これを産業機械開発の「ちよだ製作所」が形にしたのだという。畑の中にタンクが並ぶ中規模のプラントだが、むろん世界初だ。
まず、廃棄うどんを細かく破砕して、水を酵素を加えて3日ほど発酵させる。でんぷんから糖ができるという化学の原理で、これを蒸留するとエタノールがとれる。エタノールはそれ自体が燃料だ。そして、残ったカスをメタン発酵させてメタンガスをつくり、これを燃料に発電するという仕組みだ。まだ試験発電の段階で、1日460キロワット、年間13万8000キロワットで、約40世帯分でしかないが、それでも四国電力に売ると、年に約565万円に相当するという。8月末までに実用化のメドをつけたいとちよだ製作所はいう。