参院選前から内紛が公然となっていたみんなの党がきのう7日(2013年8月)、両院議員総会を開き、江田憲司幹事長(57)を更迭して後任に浅尾慶一郎政調会長(49)を起用することを了承した。渡辺喜美代表(61)は「党内不和の原因を取り除いたので、今後は党内融和が図れる」と強調したが、むしろ対立は深まり分裂につながる恐れもある。
「離党しない。一所属議員、一兵卒として頑張る」
渡辺と江田は参院選の候補者の擁立や野党再編をめぐり対立を繰り返してきた。今回の人事について渡辺は「2トップがいて方向性が違う。根本的に信頼関係が壊れていて、常にぎくしゃくしている。更迭はやむなし」と追い出しであることを明らかにした。江田は「道半ばで職を解かれることは大変無念。かくなるうえは、一所属議員、一兵卒として、さらなる党改革の断行と政界再編、野党再編に職を賭して取り組みたい」と悔しさをにじませ、今後については「離党するは考えない」と述べた。ただ、江田の考え方に近い議員もいて、分裂含みの展開もあり得るとみられている。
渡辺商店の2代目オーナーとベンチャー企業のやり手COO
「おでかけ前の朝刊チェック」コーナーでも取り上げ、産経新聞の「みんなの党 嵐の4周年」という記事を見ながら、司会のみのもんたが「なぜ、(江田は)離党しないの」と聞く。コメンテーターの北川正恭(早稲田大学大学院教授)は「衆院選や参院選の候補者選びで対立し、もともと水と油だったのですね。ただ、維新の会や民主党と話し合いをするには残っていた方がいいし、シンパもいるので残りながら頑張るということでしょう」と解説する。
みの「みんなの党って、渡辺さんがつくった党でしょう」
北川「だけども、江田さんが相当支えてきたことも事実。両雄並び立たずということでしょう。だけど、もう少し大人の解決方法があったと思いますけどね」
金井辰樹(東京新聞・中日新聞政治部次長)は面白い例えで説明した。「渡辺さん側からすると、お父さん(渡辺美智雄)の代からの渡辺商店2代目というイメージ。江田さん側からすると、2トップのベンチャー企業みたいな感じで、出発点から違っていたと思います」
金井はさらに「きのうの会見で驚いたのは、渡辺さん自ら更迭という言葉を使ったということ。更迭という言葉はだいたいマスコミが使うもので、人事の発表で人事権者が使うのはものすごく珍しい」という。
それだけ2人の溝が深かったということか。古い自民党を飛び出し、民主党を寄せ集め集団と批判していた渡辺、今後はどんな方向に進むのか。