スペイン・バルセロナで開かれていた水泳の世界選手権最終日の4日(2013年8月)、400メートル個人メドレーで、19歳の瀬戸大也(早稲田大)が金メダルを獲得した。 期待の萩野公介(18歳、東洋大)は失速して5位に終わり、萩野を追っかけていたテレビもこけた。
小学生時代からライバルは萩野公介―ロンドン五輪「銅」見て奮起
レースをリードしていたのは萩野だった。自由形の350メートルのターンでもトップだったが、ここから瀬戸が猛然と追い上げた。終わってみれば、大逆転の金メダル。この種目で日本人初だ。萩野に敗れてロンドン五輪を逃した瀬戸の見事な雪辱戦となった。
レース後、電光掲示板をみた瀬戸は「やったぁ」と叫んだが、隣コースから萩野が手を伸ばして祝福した。瀬戸は「萩野君の活躍を見て奮起した。最高のパフォーマンスができた」という。
2人は小学校時代からのライバルだ。昨年4月の日本選手権(五輪予選)で、日本新で勝った萩野に対して、瀬戸は3位で代表を逃した。その萩野が銅メダルを獲ったのを見て奮起した。秋の国体、短水路世界選手権で萩野を制した。今年4月の日本選手権は萩野が5冠となったが、5月のジャパンオープンで瀬戸が雪辱している。
2人の泳ぎは対照的らしい。萩野の得意は背泳ぎと自由形、瀬戸はバタフライと平泳ぎだ。今大会でふたりとも200㍍、400㍍個人メドレーにエントリーしたが、2日に行われた200メートルでは、萩野の銀メダルに対して瀬戸は7位に終わった。ただ、今レースでは、瀬戸は予選で萩野を抑えていた。
平泳ぎで追いつき逆転
締まらなかったのはテレビ各局で、きのう午後の予選から萩野の出身地、栃木・小山市のパブリックビューイングを取材していた。そして深夜の決勝。バタフライ、背泳、平泳ぎと萩野のリードが続く。しかし、平泳ぎで瀬戸がその差を詰めると、会場の声援も最高潮に達したが、終わってみれば、萩野は5位。放心したように画面を見つめる萩野の両親が映った。
司会の加藤浩次「やりましたね。うれしい。ライバル関係がここまで強くしているのではないでしょうか」
キャスターのテリー伊藤「ボクら知識がなかったが、層の厚さを感じますね。ワンツーフィニッシュして欲しかったけど」
勝谷誠彦(コラムニスト)「(萩野は)お疲れだったのかもしれない。日本のスポーツ根性マンガの典型ですよ。星飛雄馬と花形充ですよ。必ずライバルがいるから、こっちが目立つわけで」
加藤「身体がすごい」
友利新(医師)「見ちゃいますね。顔は幼いのに身体はもう…」(大笑い)
加藤「リオ五輪が楽しみです。リオでもまだ22歳ですよ」
テリー「萩野選手のご両親は知ってるけど、瀬戸選手のご家族の声も聞きたかった。どれだけ喜んでいるか」
取材にも行ってないんですよね。こういう番狂わせがもっと出ろ、出ろ。