きのう4日(2013年8月)、名古屋の繁華街を3000人のコスプレーヤーが埋めた。毎年開かれている「世界コスプレサミット」の参加者だ。日本のアニメやゲームのキャラクターに扮した面々が、本物度を競うチャンピオンシップある。世界20か国から予選を勝ち抜いてきているというのだから驚く。その割にニュースにならないのはなぜ?
きのう名古屋―世界20か国の予選通過した3000人
参加者にマイクを向けると、「スペインからです。コスプレ好きだから。去年も来ました」「アブダビから。大好きです」と答えは日本語だ。もちろん日本中からも集まる。お母さんに連れられた子どももいれば、解説が必要なキャラもある。門外漢には何が何だかわからないが、コンテストの熱気は半端じゃない。
20か国の予選の観客は今年111万人で、それぞれのトップ1組が来日して競い合う。その取材に100を超える報道陣もくる。これまた日本語が達者なのは日本駐在か。今年から外務省が主催に加わった。
土曜日(3日)にパレードが行われた。先頭はアメリカだったが、取材の中山美香レポーターも「あれは何でしょう。セーラームーンですかね」なんてはしゃいでいる。
日本のアニメやマンガ、ゲームは「クール・ジャパン」と呼ばれているんだそうだ。そのキャラに扮するコスプレも世界を席巻する。パレードの中にブラジル代表のソメンザリ兄妹がいた。おととし優勝しているカップルだ。「日本に来られるから」
日本代表は女性の2人組で、FRANさんと万鯉子さんという。ともに東京で、コンサルタントと進学塾教師だ。魅力は「変身です。自分と違うものに一瞬でもなれる」。今回選んだのはゲーム「悪魔城ドラキュラ」だ。3月から進めたコスチュームづくりとパフォーマンスで予選を勝ち抜いて名古屋へ来た。
1万8000人を集めたコンテスト会場では、2人1組が2分半のパフォーマンスを競った。審査は衣装がどれだけ忠実に再現されているか、キャラク ターのイメージとパフォーマンスの関連度など。
さらに20か国から参加希望…主催者「予算が足りない」
優勝はイタリアだった。アニメ「マジンカイザー」(永井豪原作)に扮した39歳と40歳のおじさんだ。エンジニアだという。初出場、初優勝だった。衣装づくりに4年をかけたという。2位はアメリカ、3位はタイ。日本チームは特別賞を得た。
司会の加藤浩次「イタリアの人は永井豪さんを理解してるんですね」
中山「外国の人に聞いても、私の知らないもの(キャラ)をみんな知っている。日本人としてちょっと恥ずかしいような」
勝谷誠彦(コラムニスト)「日本のマンガは絵と言葉が並ぶ独特のものですよ。このカルチャーの紹介をもう少し丁寧にしてほしかったね。ボクらは原作を知らない、ゲームを知らないんだから。ジャンル分けするとかさ」
キャスターのテリー伊藤は批判的だ。「全体的にせこいわ。バックも黒幕でしょう。ホントにやるんだったら、アカデミー賞みたいにちゃんとしないと。あれじゃあね。場所だって武道館でやるとか、トヨタとか大企業もあるんだし…。5億円、10億円つかうくらいの…」
テリー伊藤は自分にお声がかからないのが不満なのかもしれないが、たしかに今回が11回目というわりには常にマイナーな扱いだった。20か国以外にも参加希望が20カ国あるのだそうだ。ただ、主催者が「予選費用がかさむからと…」と中山。と、勝谷が「募金してもいい」。テリーも「せこいよ」。惜しいということだろう。なんとなくわかるが……。