渡邉美樹当選で池上彰が聞きたかった「社員が自殺をして、責任なり言葉はないのでしょうか」
『週刊ポスト』は前号が参院選前の発売だったから、今週号で扱うには遅いと考えたのだろう、ひと工夫した記事をやっている。選挙特番で民放視聴率トップだった池上彰氏が、当選者や政党代表に聞くはずだったが、相手が出てこなかったため幻に終わった質問を、池上氏に話させているのがそれである。
丸川珠代氏(自民)に対しては、<「07年の参院選の際、期日前投票をしようとして選挙人名簿に登録されていないことが明らかになりました。これはテレビ局勤務時代の海外赴任から帰国した後、3年間転入届を出しておらず、投票権が消失した状態だったためです。ということは、05年の衆院選も07年の都知事選も投票に行かなかったですよね?ご本人にその確認と、最近は投票に行ってますか?と聞いてみたかったですね」>
石原慎太郎氏(維新)については、<「今回の選挙で維新が思うように伸びなかったのは、橋下さんの例の発言(慰安婦)が響いているのだと思います。その点、石原さんが橋下さんのことを見るとき、困ったヤンチャ坊主だと思う一方で、憎みきれないという顔をするんですよね。ですから政治的な意味ではなく、石原さんの個人的な橋下さんへの思いを聞きたかったですね」>
渡邉美樹氏(自民)には、<「番組のVTRの中で、『たまたま1つの事故を取り上げてブラック企業だと責められるなら、日本中には千・万のブラック企業がある』とおっしゃったんですね。
でも、それは開き直りなのでは? 自分の会社の社員がたった1人でも自殺をして、それが過労死だと認定を受けたことに対する責任なり、言葉がないのでしょうかと質問したかったですね。それと渡邉さんは以前、都知事選に出ている。今回は参院選。都知事と参議院議員の仕事は当然違いますよね。一体あなたは何をやりたいのか? という問いに対する答えを聞きたいですね」>
政治のプロが聞かないことを聞く。池上氏が注目される理由がここにある。