帰省シーズンを前に高速バスのシステムが変わった。1日(2013年8月から、これまでの「ツアーバス」「乗り合いバス」の2本立てが「高速乗り合いバス」1本になる。昨年4月に関越自動車道で起きた7人死亡事故をきっかけに安全対策重視にカジを切ったのだが、長距離バスの発着が多い新宿西口ではさまざまな混乱が見られた。
7人死亡の関越事故で「丸投げ運行」廃止
前夜の31日夜、新宿駅周辺から路上で客を待つバスの姿が消えていた。これまでは手近な場所にバスがいて、客があたりにたむろして待っていたのだが、それがきれいに一掃された。どこへいったかというと、各会社ごとに停留所が決められて分散したのだ。客も専用の待合所で待つことになった。使い慣れた人ほど「あれ、あれ」と戸惑っている。離れた停留所だと1キロ近くも歩かないといけない。15分はかかる距離だ。
高速バスの人気は何といっても料金が安いこと。一度乗ってしまえばあとは寝たままで目的地に着くのも楽ちんだ。とくに人気だったのが、旅行会社が客を集め、委託された別の会社がバスを運行していた「高速ツアーバス」だ。しかし、低価格競争の果てに安全管理がおろそかになり、事故が増えた。このため、ずさんな運行につながる委託方式を廃し、運行会社は6台以上のバスを保有し、停留所を確保して、運行計画国土交通省の許可が必要になった。むろん、停留所以外での乗降は禁止である。
完全優先で運賃値上げ
新方式に対応できず撤退する会社が続出して、昨年9月に286社あったが、新方式の許認可を得たのは79社に減りバスの本数も減った。需要のピーク時に対して4割程度ともいわれるが、ピーク時だけの臨時増便もできなくなった。人気路線は売り切れが続出という事態も考えられる。また、安全にかけるコストから、料金への跳ね返りもやむをえないという会社もある。さあ、お盆の帰省ラッシュではどうなるか。
司会の小倉智昭「学生とか勤め人の利用多いんですよね。使う人少なくなっちゃうんじゃないの」
木下康太郎レポーター「安全面を強化した結果、路線も少なく、値段も上がってしまう」
小倉「重い荷物持って中央公園まで歩くのはたいへんだ」
コメンテーターの為末大(元プロ陸上選手)「労働環境を良くして居眠りをなくすというのならわかるが、この方式だと強い何社がか残って、あとは吸収されるとかになりかねないですね」
笠井信輔キャスター「相当に危ういバス会社がたくさんあったのを黙認していたのかもしれない」
まあ、とりあえずは安全第1。よければ需要が伸びてめでたしとなればまたよし。そういうものでしょうな。