「全柔連(全日本柔道連盟)の会長には、元選手で重量級のメダリストしかなれないといわれています。軽量級の元選手はダメ。こういう会長の選び方からも、この組織がどんな組織であったのかがわかっていたはず」とキャスターのテリー伊藤は語気を強めた。きのう30日(2013年7月)、上村会長は8月中旬に執行部の総退陣を表明した。
内閣府勧告受けて表向きは退くが…
きのうの臨時理事会で外部理事の橋本聖子参院議員が、「柔道界だけの問題ではありません。日本のスポーツのあり方が問われています」と提起し、上村会長以下の即時辞任を求める議案が提出されたが、賛成16、反対39、棄権2で否決された。上村は数々の不祥事解決のめどが立ったらということで、辞任は4?5か月先としていたからだ。しかし、8月末までに組織を立て直すよう内閣府から勧告を受けていたこともあって、理事会後の会見で8月に辞任を表明せざるを得なくなった。
柔道銀メダリスト・溝口紀子「全柔連より講道館の方が影響が大きい」
司会の加藤浩次「会長辞任で問題は終わるのでしょうかね」
バルセロナ五輪の銀メダリスト・溝口紀子は「全柔連の会長は辞任するけど、講道館館長は続けると上村さんは話しています。全柔連よりも講道館の方が柔道界への影響が大きく、禍根が残ります」と語った。
テリー伊藤「講道館には段位を認定するなどの既得権益がある。その館長を辞めないとなれば影響力は残りますよ。どこまで新生柔道界ができるのか疑問ですね。上の顔色を窺うという体質は残るのではないですか」
コメンテーターの宮崎哲弥(評論家)は「全柔連は公益法人ですからね、本来なら公的権力の介入を許してはいけない。でも、上村会長をはじめ主な役員は責任逃ればかりで自浄能力がないと判断され、内閣府が介入した。講道館館長として残れば、理事を入れ替えても本当に柔道界を改革できるのだろうか、疑問ですよ」と語った。全柔連会長は名誉職、本当の権力は講道館という二重構造が今の日本の柔道界だ。