司会の小倉智昭が白い錠剤を見せて、「このディノバンという薬、毎朝1錠飲んでます。お陰で血圧は110~60と安定しています」という。ところが、こがいまとんでもない疑惑にさらされている。
ディノバンは製薬大手ノバルティスの血圧降下剤で、日本では毎年1000億円以上売れている。その秘密が血圧降下の効能以外に、脳卒中や狭心症予防効果があるという点だった。この効果を示した臨床試験で不正があった疑いが出ているのだ。
京都府立医大の操作も同じ社員。会社側「すでに退社し確認できない」
ディノバンの臨床試験は5大学で行われたが、今月11日(2013年7月)に京都府立医大が「効果を過大評価するデータ操作があった」と発表した。そしてきのう30日に東京慈恵医大も「血圧値のデータが人為的に操作されていた」と発表した。
問題は、両大学の試験にノバルティスの同じ社員(現在は退社)が関わっていたことだ。ノバルティス社は独自の調査を行ったが、おとといの発表は「元社員のデータ操作は確認できなかた」というものだった。慈恵医大は2002年から約3000人に服用させて、07年に「脳卒中や狭心症予防に効果がある」としていた。この間のデータを再度解析したところ、元社員が血圧の数値を改ざんした疑いが出たという。
会社ぐるみ濃厚!厚労省は動いているのか
小倉「ただね、ある医療関係者に聞いたら、ディノバンは血圧を下げるには圧倒的にいい薬なんですって。だから、これを飲んでいる人は突然服用を止めたりしない方がいいですよといってました」
小倉は慈恵医大グループの臨床研究は定評があるので、これで慈恵が研究から遠ざかるようなことになると、メーカーに与える影響が大きいかもしれない、という。
菊川怜キャスター「(会社の)調査も内部調査だから、外部が調べないとホントのところはわかりませんよね」
小倉「元社員は大阪私立大の非常勤講師でもあったので、まったく素人ではないわけです」
元社員はどこまで会社の意を受けていのか。ほかの3大学の結果はどうなのか。元社員は何といってるのか。厚労省は何をしているのか―なぜすぐ着手しないのか。