全日本柔道連盟の上村春樹会長が8月末までの辞任を表明した。10月辞任の意向を示していたが、内閣府から事実上の退場を迫られやむなく前倒ししたようだが、世界のジュードー界の頂点に立つ講道館館長は未練がましく辞めないという。
内閣府・公益法人担当大臣「ご自分でおやめになっても、勧告内容に沿っていない」
不祥事が伝えられるたびに逃げを繰り返してきた上村会長以下執行部だが、きのう30日(2013年)の臨時評議会でもジタバタした。評議会では会長をはじめ理事23人の即時解任を審議することになっていたが、冒頭に上村会長が8月末までの辞任を表明し、機先を制せられた形で行なわれた即時解任案の票決(無記名)では、解任賛成は16、反対が39、棄権2で、解任案は否決されてしまった。
即時解任案を出した了徳寺健二評議員は、「自浄作用が働きませんでした。まことに残念。柔道の危機が理解されていない。改革はストップしましたね。これでは国は公益法人として認めないと思います」と悔しがった。公益法人担当の稲田朋美行政改革相からも「執行部が自発的にお辞めになっただけで、勧告通りのガバナンスの再構築とは到底判断できません」と突き放された。
全柔連強化委員・山口香「記名投票にすべきだったと思います」
司会のみのもんたは「39人が辞めなくていい。どういう意味ですか」といぶかって、日本代表監督の暴力を告発した女子選手を支えた全柔連強化委員の山口香(筑波大大学院准教授)に聞いた。
「内閣府の勧告は文書で出されています。これを評議員の方たちは読まれたのか。読まれても読解する力があったのかどうか。上村会長もそうですが、国の勧告は30日までに、新しい体制にして新しい改革の方針を出しなさいが意図なのに、目の前できちんと言われないと、言わずもがなというところが分からない。外部からの指摘なしでは何もできないということです。自分たちで改革できない姿を見せてしまった。今にして思えば記名投票にすべきだったと思います」
図体ばかりでかくて頭は空っぽといわんばかりの言いようだが、そう思われるのもやむを得ない。弁護士の野村修也は「(辞任に反対した)39人の人が誰だったかはっきりすれば、その人たちの責任という問題ははっきりするんですが…」
山口はさらに言う。「柔道は1本負けたらあとはない、終わり。何度も負けているのに、まだやらせてくれ、もう少しやらせてくれ。潔さがないのが残念です」
ごもっとも!