国内の格安航空会社(LCC)が相次いで就航してから1年になる。航空機を長距離バスのように運行することを目指しているLCCは、これまでよりも3~7割ほど安い運賃を設定している。国谷裕子キャスターは「LCCの登場でこれまで飛行機を利用しなかった人たちの需要を掘り起こし、新たな人の流れを生み出しました。しかし、同時に経費を安く抑え運航するという限界も見えてきました」と説明した。
パイロットやキャビンアテンダントも機内清掃
「クローズアップ現代」は沖縄日帰り旅行を楽しむ関西在住の若い女性の2人組に密着した。出発は関西国際空港のLCC専用ターミナルで午前5時半。那覇空港到着後、彼女たちは車と船を乗り継いで目的地の無人島にたどり着いた。透明度の高い海のシュノーケリングに歓声を上げる。「今まで沖縄は遠いところと思っていました。遊びに行きたくても飛行機代が高く、私たちには縁遠い場所だと思っていました。でも、LCCができたおかげで、飛行機代も半分以下になり、いつでも遊びに来ることができる身近な存在になりました」と話す。
国谷「LCC各社はいかに経費を安く抑えるか、さまざまな知恵を絞っています1度のフライトで多くの乗客を運ぶため、座席の間隔を狭めて座席数を増加したり、機内サービスはすべて有料としています」
機内搭乗案内の手法も変えた。これまでは後部座席の乗客から案内していたが、LCCは窓側の乗客から案内する。通路側の乗客が先に座っていると、窓側の乗客が来た時に立ったり座ったりしなくてはならず、通路が混乱する。機内清掃も地上の清掃スタッフだけでなく、パイロットやキャビンアテンダントも協力する。目的地に到着し、戻りの便の離陸まで30分しかないからだ。