山口県萩市から島根県津和野町にかけた地域で28日(2013年7月)、観測史上最多の豪雨があり1人が死亡、2人が行方不明になった。気象庁は「山口・島根でこれまで経験のないような大雨になっている。直ちに命を守る行動を取ってください」と異例の注意を呼びかけた。猛烈な雨とは、1時間に雨量が80ミリ以上で、息苦しくなるような圧迫感、恐怖を感じる豪雨をいうが、このときすでに山口県萩市ではそれをはるかに超える1時間に138.5ミリの強烈が襲っていた。
これまでの即応体制・避難計画では対応できず
なぜこんな豪雨になったのか。気象予報士の森朗によると、朝鮮半島から中国地方にかかっている梅雨前線に沿うように冷たい空気が流れ込み、さらに張り出した太平洋高気圧の縁に沿って湿った暖気が流れ込むという条件が重なっったためだという。
柿崎明二(共同通信編集委員)「経験で立てた避難計画が役に立たなくなったということですよ。避難計画や即応体制の見直しが必要なんじゃないですか。個人で対応するのは難しい」
池田健三郎(経済評論家)は「国土強靭化といっても、今回のように想定されていないレベルということで、そこまで全部対応できる公共事業を予防的にというのは現実問題むずかしいですよ。これを教訓に避難計画や防災計画を練り直すことになるのではないですか」
1時間に150ミリ。早めに避難を
想定外の豪雨をもたらした気象条件はそのまま北陸地方へ北上し、29日朝からで石川県金沢市では1時間30ミリの大雨が降っており、30日朝にかけて北陸・東海地方は1時間150ミリの猛烈な雨が予想されるという。取りあえず早目に避難することだ。