急カーブにもの凄いスピードで進入してきた列車は、カーブを曲がりきれずに側壁に衝突して脱線、先頭車両は線路脇に設置されたビデオカメラに横転しながら滑るようにぶつかり、映像はここで途切れた。24日(2013年7月)にスペイン北西部のサンティアゴ・デ・コンポステーラで起きた高速鉄道の脱線事故では、死者80人、負傷者約170人にになった。
制限速度80キロのカーブに190キロで突入
事故現場を取材している野尻仁記者は「座席がなくなっている車両もあります。多くの車両はこれが列車だったのかと思えないほど大破しています」と伝える。森圭介リポーターによると、「事故はコンポステーラ駅の手前、約4キロのカーブで起きました。カーブの制限速度は80キロでしたが、それ以上のスピードで進入したようです」という。
鉄道アナリストの川島令三氏は映像を見ながら、「この急カーブには列車のスピードをチェックする装置が取り付けられていなかった可能性が高いですね。スペイン高速鉄道の列車は2両目にディーゼル発電機を積んだ電源車が連結され、車高が高く横転しやすいんです。この映像からも、カーブに入った瞬間に2両目が横転し、それに引っ張られる格好で先頭車両が脱線・横転しています」
事故を起こした運転士はネットに自分のフェイスブックを開設し、以前に時速200キロで運転したと自慢していたという。事故直前にも、運転司令室に時速190キロで運転していると無線で連絡をしていた。
速度オーバー知りながら止めなかった運転司令室
キャスターのテリー伊藤「この列車は予定よりも5分遅れていたんでしょ。遅れを取り戻すためにスピードを上げたのだろうけれど、日本の新幹線のように列車のスピードをコントロールできる自動制御装置などはなかったんでしょうかね」
コメンテーターの菊池幸夫(弁護士)は「いくつかの人為的ミスが重なって、事故が起きたとしか考えられない。きついカーブに入ることも事前にわかっていたはずだし、時速190キロで走行しているという連絡が来たとき、スピードを落とせという指示を誰も命じなかったのも問題ですよね」と話す。
犠牲者の中に日本人がいたのかどうか、まだ確認は取れていない。