壁にはカビが生え、手すりは錆だらけ、大雨が降れば雨漏りがするボロボロの水族館が注目を集めている。山形県鶴岡市の加茂水族館にはさまざまなクラゲが展示され、各地から見学者が押し寄せる人気となっているのだ。倒産寸前の水族館を救ったクラゲの奇跡――。
「倒産覚悟した時に見つけた水槽の中の『小さな白い泡』」(館長)
加茂水族館は昭和5年(1930年)に地元有志によって設立された山形県水族館が前身だ。1967年には年間入館者が21万人を突破したが、その後は減少の一途で、97年には10万人を切った。「当時、スタッフも増やせなかったしボーナスも払えませんでした。次の年も入館者が減ったらもうダメだと覚悟しました」(村上龍男館長)
そんな時、村上館長の目にとまったのが水槽の中の珊瑚に付いた小さな泡。「これは何だろうと思いましたが、とにかく餌をやり続けました」。すると、2か月後に直径3センチぐらいのミズクラゲになっていた。「このクラゲを別の水槽に移して展示したところ、足を止めて見ている入館者が徐々に増えていきました」
大竹真リポーター「でも、当時のスタッフにはクラゲに関する知識も飼育に関するノウハウもありませんでしたから、ミズクラゲは次々と死んでいきました」
珍しいカブトクラゲやタコクラゲなど50種類
館長は新たなクラゲ確保を決意する。自分で船を出しクラゲ漁に出た。クラゲは増え、珍しいカブトクラゲやタコクラゲなども交じって、現在は50種類のクラゲが展示されている。入館者も昨年(2012年)は21万人を回復した。
大竹「クラゲの展示種類数でギネス認定されています。とくに、女性の間で人気が高いようです」
司会の加藤浩次がコメンテーターのはるな愛(タレント)に「女性にとってクラゲの魅力とは何だろう」と聞く。「見ていると癒されるという部分が大きいと思います。水中を優雅に泳ぐ姿も美しい」
夏休みに行ってみたくなった。