「長州人が尊敬する吉田松陰先生は『千万人といえどもわれ往かん』そういう人物が必要なのだ」
<「私の地元は山口県で、長州人が尊敬する吉田松陰先生は、よく孟子の言葉引用して『千万人といえどもわれ往かん』といいました。『これは正しい』という信念さえもっていれば、世の中から袋叩きになって、長い政治生命を保ちえないとしても、それを貫きとおさないとならない、そういう人物が必要なのだ、と現在のような激動期にはとくに痛切に感じますね」>
これは『ニューズウイーク日本版』が紹介している、2003年に安倍晋三氏が歴史学者の中西輝政氏と対談した際の言葉である。ニューズウイークは安倍が自らを激動期に活躍する志士のように思い込んでいるとすれば、気負いすぎではないかと危惧している。
こうした考えの安倍首相が、第2次政権発足後は日本経済の再浮揚に集中しているのは、安定した暮らしがなければ、国民は彼の唱える「誇りの回復」などに見向きもしないことを学んだからだろうと書く。
だが、参院選で大勝してねじれが解消すれば(この記事が書かれたのは参院選の投票日前)、状況は変わり安倍が『本性』を現すと見る。<長州出身の幕末の志士、高杉晋作から『晋』の字を受け継いだと気負う安倍は、経済の回復をてこに『美しい日本』『戦後レジームからの脱却』の実現に動き出すだろう>(ニューズウイーク)