山口県周南市金峰(みたけ)地区の山村で5人の遺体が発見され、いずれも鈍器のようなもので頭を複数回殴られたあとがあった。警察は同じ集落に住む63歳の男が事件に関わりがあると見て行方を捜している。取材キャスターの奥平邦彦が現地から伝えた。
「つけびして煙り喜ぶ田舎者 かつを」の張り紙
最初の事件があったのは21日(2013年7月)午後9時ごろで、民家2軒が相次いで出火し全焼した。1軒の焼け跡から無職、貞森誠さん(71)・喜代子さん(71)夫婦と見られる遺体、別の焼け跡から農業、山本ミヤ子さん(79)と見られる遺体が見つかった。司法解剖の結果、3人はいずれも頭部に鈍器のようなもので複数回殴られた後があった。
さらに一夜明けた22日午前11時半ごろ、火災現場から道路と川を隔てた家で河村聡子さん(73)、そこから100メートル離れた家で石村文人さん(80)の遺体が発見された。2人ともやはり頭部に鈍器のようなもので複数回殴られた跡があった。河村さんは前夜、火災があった際に住民が見ており、家に戻ったあと襲われたらしい。
行方のわからない63歳の男の家は山本ミヤ子宅の隣にあり、外からわかるように窓ガラス越しに毛筆の字体で「つけびして煙り喜ぶ田舎者 かつを」と放火をほのめかすような張り紙があった。
「病気の父親介護のため村に帰ってきた」
現場は半径3000メートルほどしかないところに8世帯15人が住む集落で、普段から一緒にゴルフをしたり山登りに行ったり仲良く暮らし、殺された貞森夫婦は「だれにでも好かれ恨みを買うような人ではなかった」という。
ひとり偏屈と見られていたのが63歳の男で、地元の小学校を卒業後に神奈川県に移り、15年ほど前に病気の父親のために戻ってきて、父親の介護を献身的にしていたという。
ただ、住民が回覧板を渡そうとしても、「ゴミになるから」と断り揉めたことがあった。最近も河村さんとトラブルがあったらしい。警察は殺人・放火事件と断定し、事件に関わりがあるとみて男の行方を捜索している。
司会のみのもんた「人口15人のうち5人が殺されたんですよね」
杉尾秀哉(TBS解説室長)「猟奇的な事件ですよね」
のどかな山村に起きた惨事に言葉少なかった。