1冊の推理小説がイギリス、アメリカで話題になった。ロバート・ガルブレイスという無名の新人の作で「カッコーの鳴き声」という。初めはぼちぼちだったが、内容がいいと評判になり、「素晴らしい新人が現れた」と注目されたのだが、もうひとつおまけがあった。筆者は「ハリー・ ポッター」のJ.K.ローリングだったのだ。
「期待を背負わず、違う名前で読者の意見を知ることができた」ローリング涼しい顔
物語は退役した軍人が探偵をしていて、モデルが転落事故を起こした真相を突き止めるというミステリー。ローリングはロバートという男性の名前で発表し、略歴もイギリスの元軍警察所属、現在は民間の警備会社勤務で、妻と2人の息子がいるとしていた。経験を元に執筆という触れ込みだった。
小説の評判は素晴らしかった。アメリカのアーティストは「これまでに読んだ中で最も素晴らしい犯罪小説のひとつ」だといい、イギリスの新聞は「ガルブレイスはミステリー作家として素晴らしい才能を示した」と書評で絶賛した。これほどの力量を持った作家はどんな人物か、誰もが関心を持った。ある新聞が追跡調査した結果、ローリングとわかったのだという。
笠井信輔キャスター「ハリポタは5億冊ですから、億万長者であることは間違いない」
司会の小倉智昭は「もう書かなくてもいいのにね」なんていう。そういうことではないでしょうよ、旦那。
菊川怜キャスター「あえて別の名前で出した?」
小倉智昭「別の名前でもそれだけ評価されるということは、文章力がいかにすごいかってことですよね」
本人は「大規模な宣伝もなく、期待を背負わずに書くのは素晴らしく、違う名前で読者の意見を知ることができ、嬉しい限りでした」といっているそうだ。
初版はわずか1500部。だれだかわかった途端アマゾンのトップ
それにしても、初めはわずか1500部。ローリングとわかったとたんにアマゾンの売り上げが3位になって、いまはトップだ。その直前までは4709位だった。無名の作家のミステリーが新聞の書評に載るなんてあるんだろうか。出版社がどこかしかるべきルートはあったのか。いろいろ仕掛けはあるかもしれないが、モノがよくなくては通らない話だ。
菊川「もう1回くらい同じことしてほしい」
小倉「『カッコーの鳴き声』は5巻とか6巻とかでないですかね」(笑い)
菊川「映画化もされるかもしれない」
小倉でなくとも、「そんなに稼いでどうする」といいたくなる。