10日(2013年7月)に開かれた原子力規制委員会で、福島第一原発の地下水から高濃度の放射性物質が検出された問題が取り上げられた。「海水への拡散が強く疑われる」と規制委は見ているが、東京電力は「環境への影響は見られない」と否定している。
国基準の180~240倍の放射性セシウム
高濃度の放射性物質が検出されたのは、2号機の海側にある井戸の地下水からだった。国の基準の180~240倍の放射性セシウムが検出された。それも、この4日間で濃度が100倍も上昇していることが分かった。東電は「原発事故直後の4月(2011年)に近くで超高濃度の汚染水が海に流出したときの汚染水が地中に滲み込んだ可能性がある」と説明している。つまり、新たな漏洩ではなく、事故直後のものが染み出しただけというわけだ。
しかし、規制委は2号機海側の井戸以外の井戸からも高濃度の放射性物質が検出されていることから、11年4月の流出だけでは疑問が残るとしている。田中俊一委員長は「海洋汚染は大なり小なり続いていると思う。一番リスクの大きなところは最優先で対策を立てる必要がある」として、ワーキンググループを立ち上げて汚染原因を特定し対策を検討する方針を決めた。
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モンブラン| 似顔絵 池田マコト