政治が危なくなると伸長する共産党…さて参院選、「安倍自民NO!」どれだけ集めるか
朝日新聞(7月1日付)が連続世論調査(電話)で、参院比例区の投票先が自民党は44%で前回よりやや落ち、安倍晋三首相の経済政策を「評価する」人も50%で、前回より13%減ったと報じている。参院選まであとわずかしかないが、先週の週刊新潮と週刊文春が報じた政治家スキャンダルに見られるように、何かが起こる予兆はある。
『週刊ポスト』が都議選で共産党が野党第一党になったことについて、巻頭で論じている。こういうところは時代に敏感な週刊ポストだが、内容はイマイチ。記事によれば、戦後の政治史をたどると、共産党が議席を伸ばすときには共通の政治状況があるという。古くは今太閤・田中角栄が登場して国民の人気を得ていた1972年の総選挙で、自民党は284議席の安定多数を得たが、その一方で共産党も14議席から38議席へと大躍進した。大平内閣が「大型間接税」導入を打ち出した79年の総選挙では、共産党は最高の39議席を獲得している。政治評論家の森田実氏はこう解説する。
<「共産党支持を増すのは日本の政治が危険な状況にあることの映し鏡でもある」>
週刊ポストは<参院選での自民党圧勝ムードに絶望感を感じる有権者にとって、共産党員はいわば「暴力装置」である>と書いているが、ほとんどの政党が保守化・自民党化していく中で、貴重な存在であることは間違いない。共産党を躍進させることは、安倍自民党へ「NO!」を突き付けることである。共産党がどれだけ議席を増やすか、それしか楽しみがない選挙ということでもあるが。