他人の自転車を無断でオークションに出品し、落札が決まった後でその自転車を盗むという新手の自転車泥棒が出現した。国民生活センターは「今後増加する可能性がある」と注意を呼びかけている。
単に放置自転車を失敬するのとはわけが違う。狙うのは高級自転車だ。司会のみのもんたは「利口な…、じゃない、悪いやつがいるもんだねえ」
落札1時間後にゴッソリ!読者メールで知って仰天
盗難事件があったのは6月17日夜(2013年)、東京・池袋の自転車専門誌『シクロツーリスト』の田村浩編集長の自宅だった。田村さんは高級自転車を何台も所有するサイクリストで、ガレージの奥にカバーをかぶせて並べ、その上にダンボールを敷いて自転車を重ね、外から見えないようにブルーシートで覆っていた。
ところが、17日夜に所有していた12台のうち、ガレージに保管しておいた9台がゴッソリ盗まれた。いずれも1台70万円もする高価なものばかりで、被害総額は220万円にのぼるという。
田村さんが盗難以上に驚いたのは、自分が編集している雑誌の読者から届いた次のようなメールだった。「ネットオークションで私が落札した自転車は、盗まれた田村さんの物じゃないですか」
調べると、オークションの開始が6月12日午前10時で、終了したのは16日午後10時58分となっている。落札が確認されたほぼ1時間後に盗まれていたことになる。盗まれた9台のうち7台がオークションに出品され、5万円から17万円で落札されていた。
犯人はオークションに出品するにあたって、ガレージにある自転車を写真撮影していた。また、犯人が自転車の引渡し場所に指定したのは田村さんの自宅に近い駅周辺で、田村さんは土地勘のある人物の犯行と見ている。