生活保護からの脱出支援!自治体が受給者の就活バックアップ

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コストかかっても「受給者がいずれ納税者に」

   自立支援など社会保障政策に詳しい中央大学の宮本太郎教授はこう話す。「この厳しい時代では、どなたでも失業する可能性があります。病気、家族のケアなど、2つか3つの事柄が重なれば急に生活保護の受給に至ってもおかしくありません。

   そうした中で、実際は働きたいんだけれどいま一歩踏み出せない人、中間ゾーンのところが広がっているのです。そのグレーゾーンを支えることで状況が劇的に変わってくる。多少コストがかかるが、受給者が納税者に代わるわけで、いずれは大きなリターンになる。だからこれは追求してやっていくしかないのです」

   国谷裕子キャスター「豊中市の『中間的就労』の取り組みについてはどう思いますか」

   宮本教授「同じような取り組みは全国で広がりつつあり、これからは自立支援のキーワードになっていくと思います。長い間、仕事から遠ざかっていた人が、急に一般的就労でバリバリ働くのは難しいですから、本格就労の一歩手前で『慣らし雇用』をやって感覚を取り戻す。ヨーロッパでも広くやっていて定着率もいいですね」

   最終目的である自立に向けた職場をどう確保するかも課題になる。神奈川県川崎市の生活保護・自立支援室の職員が都内のIT企業を訪れ、生活保護受給者100人を雇用してもらう協定を結んだ。この企業は障害者やニートを積極的に雇用しており、そのための誰でも働きやすい職場づくりをしている。ビジネスで必要な挨拶や身だしなみの就労研修も行なっている。研修費用は川崎市が負担し、IT企業は自治体と組むことで意欲ある人材を確保できるメリットがある。

   捨てる神は多いが、拾う神はそういない。宮本教授は「働こうという意欲を持っている人を皆で支援する。生活保護が必要な人は守らなければいけないが、本来この制度はそういう働く意欲を支援するのが目的だ」と話した。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2013年6月26日放送「働く力を取り戻せ~『脱』生活保護への挑戦~」)

文   モンブラン
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