サバ、イカ、アジなどに寄生するアニサキスが人間の胃や腸に取り込まれ、強い腹痛を起こした事例がこの数年で10倍ぐらいに急増しているという。昨年(2012年)は年間60件の報告があった。
アニサキスは魚の内臓に寄生しているのだが、輸送中に筋肉(身)に移動して人の口に入る。こと衛生面では世界に冠たる日本で、いったいなぜ寄生虫が増えているのか。
長時間冷凍や加熱で死滅
アニサキスは長時間冷凍すると死ぬが、最近はナマ魚の流通も多く、それがアニサキス被害増加の一因らしい。「魚が新鮮ですから、魚の中にいる寄生虫も元気な状態で届く」(東京都福祉保健局)
スタジオにもアニサキス被害者の「連れ合い」がいた。番組コメンテイターの高木美保(タレント)のご主人はアニサキスに胃内部を噛みつかれて強い腹痛に襲われ、「病院で胃カメラで取ってもらった」と話す。
おいしそうな新鮮な魚と、あまり口にしたくない寄生虫は、人間からするとまったくの別物だが、じつはわりと近い関係であるようだ。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト