首相問責決議が可決され、重要法案が廃案になるという後味の悪い幕切れで通常国会が終了した。会見で安倍首相は「これこそがねじれの象徴だと思っています。ねじれを解消しなければいけない。その決意を新たにしたところです」と語ったが、頭の中は参院選でいっぱいだ。
頭の中は相手の足引っ張ることだけ
生活の党、社民党、みどりの風の3党が首相問責決議案を提出し、重要法案の廃案を野党の責任にできると見た自民党はこれを受け、当初は重要法案の採決を優先する方針だった民主党も野党共闘に方向転換せざるを得なくなった。それもこれも7月21日投開票の参院選をにらんだ党利党略のパフォーマンスだ。
北川正恭(早大大学院教授)は「参議院が政争の場で、良識の府になっていないことをさらけ出しましたね。今度の参院選はつまらん選挙になる可能性を示唆したような感じ」と厳しい見方をする。
金井辰樹(東京新聞政治部記者)「対立の構図を作らなければ選挙にならない、という(与野党)双方の選挙向けの思いが非常に強かったですね。野党にしてみれば、重要法案だと理解しながら意味のない問責決議の採決を優先せざるを得なかったし、与党は野党の責任にしようとした。これで参院選の投票率は10%ぐらい下がってしまった気がする」
司会のみのもんた「参議院の存在価値ってどうなっちゃうのですかね。不要論がまた出てきますね」
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト