「生命の神秘」という使い古された言葉があるが、それにしてもパンダの出産は神秘的だ。人間の赤ちゃんなどは母親のお腹の中にいながらにして、性別やら生育状況が見て取れてしまうのに、パンダと来たら、赤ちゃんが生まれるべき時が来るまで、妊娠しているかどうかすらたしかなことはわからないというのである。
地元観光連盟ガックリ!「来年3頭産んでくれないかなあ」
上野動物園のパンダ、シンシンに再びその「時」がやってきた。以前のシンシンにはパンダの妊娠時に見られる特徴があったが、出産間近のはずの今になって、食べる竹の量が普段通りの戻り、動きが俊敏になるなど妊娠とは付合しない行動が目立ってきたという。それからすると、今年(2013年)のシンシンは妊娠していず、「偽妊娠」だった可能性が高まったらしい。
シンシンおめでたの可能性が発表された際に、「モーニングバード!」が取材し、当時は小躍りせんばかりだった上野観光連盟の会長は「後半のロスタイムで3点入れられて逆転されたような気分」とガックリ肩を落とし、「来年、3頭産んでくれ!」とヤケ気味にリクエスト。
番組コメンテイターからは「皆の(出産への)期待がすごく高いから、パンダも一生懸命妊娠しようとして、こういう偽妊娠になっちゃったのかもしれない」(作家・立花胡桃)と、シンシンへの過剰なプレッシャー(?)を懸念する声も聴かれた。
文
ボンド柳生