鳩山由紀夫元首相が香港のテレビ取材に応じ、またもやとんでもないことを口走った。香港フェニックステレビに出演し、尖閣諸島の領有権について「両国が持っていてある意味で当然だと思います。ただ、中国側から見れば(日本が)盗んだというふうに思われても仕方がない。まさに係争地である」と話した。
「カイロ宣言は『中国に返還』と規定している」
鳩山はとくに新しい根拠があって主張したわけではないようで、第2次大戦中のカイロ宣言に「中国東北地方や台湾などの諸島を中国に返還する」という規定があるからということらしい。「カイロ宣言の中に尖閣が入るという解釈は、中国から見れば十分成り立つ話だ」というわけだ。さらに、「日本政府のかたくなな態度が続いてしまえば、日中関係をますます厳しくして、解決というのはとてもあり得ないことになります」と日本政府を批判した。
菅義偉官房長官は「発言を聞いて、私は絶句しました。総理大臣を務めた人が、領土の主権を揺るがせるような発言をすることは、国益を著しく損なう。断じて許すことはできない」と怒る。石破茂自民党幹事長は「そろそろいい加減にしてくれませんかということに尽きる」と呆れる。
その場その場で相手が喜ぶこと口走るクセ
コメンテーターの慶大教授、片山善博(元総務相)「鳩山さんの悪いところで、その場その場で相手が喜ぶようなことをつい言ってしまう。後先のことを考えない。そういう人は政治家には向かない。政治家は冷徹でないと」。
中央大法科大学院教授の野村修也(弁護士)は「まず国益をしっかり理解してもらうことと歴史をもうちょっと勉強されたほうがいいという感じがしますね」と苦笑する。
逢坂ユリ(資産運用コンサルタント)「この方は昔どこの国の総理大臣だったんでしょうか」