「今回の改革・改善のめどが立ったら、そこで会長の職を辞する」
全日本柔道連盟(全柔連)の上村春樹会長がきのう24日(2013年6月)の臨時理事会で、そのように発言したと記者会見で明らかにした。今年1月(2013年)の女子選手への暴力・暴言問題が発覚して以来の一連の不祥事で、ようやく口にした辞任の表明だが、その時期は「4、5か月先」「10月が一つのめど」というだけでいまひとつ明確ではない。はたして改革は進むのか。進まなかった場合はどうするかと聞かれ、「進めます」と気色ばんだが、その真意になお疑念の声もある。
谷亮子・橋本聖子「理事」受けるな!
司会の加藤浩次「改革のめどがついたら、ということですが」
キャスターのテリー伊藤は「言っていることがおかしいですよ」と一蹴した。「というのは、改革は新しい会長がやるべきで、本人がやってどうするんですか。新しい女性理事や外部理事に参院議員の谷亮子さん(五輪金メダリスト)や橋本聖子さん(日本スケート連盟会長)を選びましたよね。でも、それを選ぶのは、本当は新しい会長なんですよ。自分で選ぶのは、もしかしたら、手心を加えてもらおうという意思が出ているとみられても仕方ない。谷さんも橋本さんも、ちょっと待ってください、新しい会長になったら受けますというべきですよ」
加藤「改革をまったくやってこなかった人が、これから4、5か月で改革するといっても説得力がありませんよね」
村上体制で蔓延した腐敗・非常識体質
全柔連の暴力・パワハラ問題の第三者委員会委員を務めたコメンテーターの香山リカ(精神科医)も、「今回の問題はそれぞれ個別の個人的な問題ではなく、組織、構造が生んだ氷山の一角ということを指摘したのですが、まったく理解していない。辞任発言も、めどが立たないから辞任しないというための準備で言っているのかなと思う」と厳しい見方だ。ロバート・キャンベル(東大教授)は「即刻辞めるか、これからこうやると具体案を示すべきだ。そのどっちしかない」と話す。
レポーターの西村綾子「上村会長は改革を途中で投げ出す方がいけないんだ、といっていました」
加藤「それはいま現在をみたときのこと。その前の過去を振り返ったとき、改革できない体制が何年続いてきたのか」
現体制での改革を期待する声はひとつとして出なかった。
一ツ石