全盲のヨットマン・岩本光弘さんと太平洋横断を目指したニュースキャスターの辛坊治郎氏らは、出航から6日目にヨットに浸水して救助されたが、太平洋の真ん中で何があったのか。救助活動も映画やドラマさながらだった。
「何かがぶつかるゴンという音。続けて2回。すぐ浸水」
岩本さんは「金曜日(2013年6月21日)の朝7時半頃、ヨットに何かがぶつかるゴンという音がしました。続けて2回、ゴンゴンと来た。そして水が入り込み、すぐに仮眠中だった辛坊さんを起こしました」と話す。辛坊は「起きてみたら、すでにくるぶしぐらいまで水が入り込んでいた。ヨットはあと10分ぐらいしか持たないなと思い、すぐに事務局に連絡を取り、ライフラフト(救命艇)に乗り移ってヨットを離れました」という。
森圭介アナ「辛坊さんたちがライフラフトに移る際に携帯したのは、数日間の水と食料、GPSと衛星電話でした。移ったときは海は穏やかでしたが、午後から荒れ模様となり、波の高さは3~4メートルに達していたといいます」
司会の加藤浩次「ヨットに何がぶつかったのだろう」
ベテランヨットマンの杉山幹治氏によると、「漂流していたコンテナか木材の可能性が高いですね。ヨットの前部は弱い構造になっているので、そこに何かがぶつかれば穴が開きます」と推測した。
1度引き返して命がけで2度目の出動
森「この日の午後、救助のための海上自衛隊の飛行艇が飛来して、着水場所を探しましたが、海が荒れて着水が難しく、燃料切れの恐れがあったので1度引き返しました。夕方、再び飛来して着水を強行し、2人を救助しました」
辛坊は会見で「救助されてからレスキューの人に聞いたら、こんな荒れた海での救助活動は初めてだと教えてくれました。私たち2人のために多くの人に迷惑をかけ、レスキューの人たち11人の命も危険にさらした。本当に申し訳ない」と涙を流した。
加藤「この飛行艇は凄いですね」
コメンテーターの勝谷誠彦(コラムニスト)「この救助飛行艇は世界に冠たる飛行艇です。それでも、荒れた海にあえて着水したというのは、自衛隊も決死の作戦に出たのでしょう」
森「2人が救助されたポイントは、辛坊さんたちからのSOSを受けた6分後に事務局が海上保安庁に救助要請を出したところだそうです。普通なら、もう少し持つだろう、まだいけるのではと考え、逃げるタイミングを失うそうです」
とにかく、命を落とすようなことにならなくてよかった。