「富士山」世界遺産、来週正式に登録!地元が弾く皮算用「海外観光客増えるはず」

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   カンボジアのプノンペンで開かれているユネスコ世界遺産委員会で、来週26日水曜日(2013年)に富士山が世界遺産に正式に登録される。地元ではすでに登録を見越して土産店をオープンしたりあやかりサービスのアイデアをひねったりと大忙しだが、思惑通り観光客は増えるのか。「円安なので海外からのお客さんが来やすい状況だ」(静岡経済研究所専務理事・中嶋壽志さん)とそろばんを弾く。

土産店オープン、富士山グッズ、外国語スタッフと準備着々

   黒宮千香子レポーターが大雨・強風の富士山五合目にきのう20日に取材に出かけていた。「いやあ、ものすごく寒いです。でも、外国人の方が多いですねえ」。たしかに、あちこちにいる観光客はほとんど外国人のようだ。日本人はこんな日に出かけないが、海外からのツアー客は天気を選んではいられないのだろう。中国から来たという女性は「富士山は好きよ。きれいだもの」「中国でも有名で、世界遺産に登録されるってニュースでやっていた」と話す。リニュアルオープンの土産物店も「今週末以降お客さんが増えると思います。楽しみにしています」と開店準備に大わらわだ。

   富士吉田駅から名前まで変えた裾野の冨士山駅のショップには、Tシャツや富士山を形取った富士山グッズ、富士山をデザインしたソフトクリームなどの販売で売上げ増をねらう。すぐ脇の観光案内所は「いらっしゃるのは外国人ばかり」ということで、英語、中国語、フランス語、ドイツ語を話すスタッフを揃えた。

登録で観光客急増しその後は減少「日光」「石見銀山」

   では、これで観光客は増えるのか。黒宮がこれまでに登録された「白川郷」「日光」「石見銀山」のケースを紹介した。「白川郷は増え続けているのですが、石見銀山は直後は増えたものの今は減り続けています。日光もピークからガクンと減って、少し盛り返しつつあります」

   明治大准教授でエコノミストの飯田泰之は「富士山は文化遺産ですが、そこだけを楽しむというところではありません。周辺の温泉から見上げたり、富士五湖などのエリアもあります。富士山だけに裾野が広いんです。そう考えると、経済効果は大きいでしょうね」と話す。

   長嶋一茂(スポーツキャスター)「ちょっと言い方悪いんだけど、便乗商法はあっていいと思う。地元は活性化するし…。ただあまり飛躍しすぎると、すべてぶち壊しになってしまうことも心配ですよね。地道に行こうよ」

   吉永みち子(作家)「一時のブームでワーッと人が来て、自然や環境が壊されてしまうということが、これまでもいろいろな観光地でありましたよね。富士山は文化遺産としての登録ですから、経済効果だけでなく、山岳信仰などの文化を知ってもらうということは忘れて欲しくないですね」

   富士山の世界遺産登録を日本中が喜んでいるかのような騒ぎはまっぴらだな。

(やすべえ)

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