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ナベツネに自分から売り込んだ加藤良三NPBコミッショナー!初めから操り人形

   最近、これほどテレビを観ていて腹が立ったことはない。プロ野球選手はもちろん、ファンをバカにした統一球変更問題である。週刊文春によれば、6月11日、NPB(日本野球機構)と労組日本プロ野球選手会の労使交渉が行われていた。その場で選手会側からNPBに対して、今季から統一球の仕様が変わった事実があるのかどうか答えるよう申し入れがあったという。

   この場でNPBの下田邦夫事務局長は、ボールの反発係数を微調整していたと認めている。しかし、その場ではこの事実はまだ公表しないということで両者が合意していた。その後、いったん仙台駅に向かった下田事務局長が汗をダラダラかきながら、憔悴しきった様子で戻ってきた。そして記者たちに「ボールは微調整していた」といきなり自白を始めたという。

   その時、下田氏は間違いなく「コミッショナーと相談の上でやっています」と認めていたと、その場にいたNPB担当記者が証言している。しかし、6月12日夜の釈明会見では、加藤良三プロ野球コミッショナー(71)が、私は知らなかったと臆面もなく居直り、下田事務局長が私も混乱していてと前言を翻してしまったのだ。

   最高責任者が知らないところで、選手の野球生命を左右する飛ばないボールから飛ぶボールへの変更などできるわけないことは小学生でもわかる。何でこんな人間がコミッショナーになれたのだろう。この御仁、元駐米大使で巨人ファンではあるが、野球にはド素人である。彼がコミッショナーになった経緯を、球界関係者はこう明かしている。

<「加藤さんは自分から売り込んでコミッショナーになった。大使退任の直前、ちょうど前任のコミッショナーの任期が切れることを知り、知人に『どうすればコミッショナーになれますか』と相談して回っていた。『とにかく読売の渡辺恒雄会長の許可を得ない限り、絶対になれない』と言われ、挨拶に行って頼み込んだんですね。ですから加藤さんは、今でもナベツネさんには絶対に逆らえない」>

   ナベツネの操り人形なのだ。それなのに、加藤氏は「基本的に週一回の勤務で、ほとんど事務局には顔を見せません。コミッショナー事務局は帝国ホテルにあるが、カネの無駄遣いですよ。それでいてコミッショナー職で年収は約二千四百万円。他に三菱商事の社外取締役として、年間二千万円ほどの収入を得ているはずです」とスポーツ紙デスクが話している。

   プロ野球を汚すような男にはさっさと引導を渡すべきだと思うが、いかがですかナベツネさん。さもないとあなたは晩節をまた一つ汚すことになる。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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