77歳登山者救ったビニ―ル袋のメモ「SOS 男1人」川に流し釣り人が発見!

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「村田英雄の歌を思い出して口ずさんで救助待ちました」

   レポーターの阿部祐二が小山さんに話を聞いた。登山歴15年、小柄だが飄々とした感じの人だ。

   どんな気持ちで待っていたのか――「雨の中はヘリコプターは飛ばないので、13日は警察も動けないだろうと思いました。食料には手を付けず、スポーツ飲料の粉末を川の水で溶かし飢えをしのぎました」

   夜は――「あまり眠らなかった。細い板を見つけてその上で寝たが、ベッドじゃないんだから尻は痛いし、背中は痛いし、うつ伏せになったら胸が痛いし」

   何をしていたのか――「何もすることがないんだよ。本も持ってない。音楽も聞くことができない。村田英雄の歌を思い出して口ずさんでいました」

   SOSを思いついたのは――「雨があがったら、もしかしたら釣り人が入ってくるかもしれない。それでSOSを思いついた。助けてくれた2人におにぎり1個とドーナツ1個もらいました。うまい、うまい。ああいうときは、弱気になっちゃダメだと思うよ」

   阿部は救助されたポイントを3つあげる。「SOSのメモ、十分な装備と食料、それと動かずに救助を待ったこと。とにかく冷静、判断が的確でした」。偶然にも助けられたが、これから夏山に向かう人には見習う点が多い。

文   一ツ石
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