冷たい水が美味しく感じる季節がやってきたが、レストランで出された水をめぐって騒動が起きている。東京・渋谷の代官山にある店で食事をした客が、知らないうちに水代金800円を取られたことをインターネットの口コミグルメサイトに書き込んだ。
これを読んだ店の経営者の川越達也シェフが頭にきたのだろう、雑誌のインタビューに次のような反論をした。「くだらない。年収300万円や400万円の人が高級店に行って批判を書き込んだ。こういうことがあるんだ。いい水を出しているんだからこのくらいの水の値段は当然」
高級レストランでは常識といわんばかりで、この店が高級店かどうか知らないが、川越シェフの決定的ミスは、水はサービスと思っているかもしれない客から説明もなしに800円の水代を取ったことだ。案の定、ネット上に「低所得者をバカにしている」と批判が殺到した。
川越シェフは「具体的に数字を出してしまったことで誤解を与え、心より反省しています」と謝ったものの、何が本当に悪かったのか分かっているのかどうか。
ミネラルウォーターのドンペリ「シャテルドン」1800円
ヨーロッパで売られている高い水には、ミネラルウォーターのドンペリといわれるフランスの「シャテルドン」は1000ミリリットル1800円(参考価格)、マドンナが愛飲しているノルウェーの「ヴォス」は800ミリリットル800円(同)する。
しかし、それは普通の飲料水が美味しくないヨーロッパでのこと。司会のみのもんたは「世界中でどの蛇口をひねっても飲めるのは日本だけだってね」と、まず日本の水道水の水質の高さを指摘しこう付け加えた。「日本の水道水を煮沸して冷蔵庫で冷やし、ベテランが世界のミネラルウォーターと比較したら、1位になったという。いかに日本の水が美味しいか」
水道水はともかく、ブナに覆われた山奥の岩肌から流れる名水のまろやかさなどはかえ難い。ヨーロッパの水は高級と思い込んでいては日本の水の良さは分からない。