ドブ池で汲んでくる中国ミネラルウォーター!水質基準ゆるく日本の下水並み汚染水

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<世界的なコーヒーチェーン「スターバックス」の香港の店舗がトイレの水道でコーヒーを入れていたことが中国国内で報じられたのは5月30日(2013年)。大盛況だった店は一夜にして閑古鳥の巣と化したが、客が激怒したのは、取水場所がトイレだったことだけではない。中国の場合、水道水は飲んだら危険な水として広く認知されているのだ。無論、日本の外務省のホームページでは、北京ですら水道水の飲用は避け「ミネラルウォーターの使用を原則」とするように呼びかけている>

   『週刊新潮』がショッキングな中国の水事情を特集している。その水道水よりも基準がゆるい不純なミネラルウォーターが多く出回ってるというのだから、何を飲めばいいのか。<現在、中国では国内シェアトップのミネラルウォーターブランド「農夫山泉」(550ミリリットルで1.5元=約24円)の水質基準が大問題となっている。水源は浙江省の森林公園にある湖で、国が一級水源保護区に指定しているという安心感も手伝って人気を博してきた。

   ところが、今年4月(2013年)、北京の日刊紙『京華時報』によって「水質基準が水道水以下」と報じられた。カドミウム含有量などに関して農夫山泉が用いる浙江省のミネラルウォーター基準の方が国の水道の基準よりも甘かったのだ。さらに、浙江省の水質基準の策定に農夫山泉サイドが関わっていたこともスッパ抜かれた>

   北京特派員がこう解説している。<「農夫山泉は京華時報を名誉棄損で訴えましたが、調べてみると、確かにペットボトル入りミネラルウォーターの国家基準は水道水よりもゆるいケースがあります。例えば、水道水では検出されてはならない大腸菌がミネラルウォーターでは微量ながらも許されている。実はミネラルウォーターに関しては、何十年も前の旧ソ連の衛生基準が今も使われているからです」>

   私も年に1回は中国へ行っているし、息子が昨年(2012年)暮れから北京で仕事をしている。公害に水もダメだとすると、中国で暮らすのは大変なことだ。中国人は子供の頃から水に慣れ親しんできているから平気なのかもしれないが、これでは中国で飲めるのはビールぐらいか。

<上海在住のジャーナリストの調査によると、「農夫山泉の取水を行っている浙江省の千島湖を調査したところ、ゴミが大量に浮いているゴミ溜めのような水域があちこち目に付きました。検査キット使って計ってみると、水質を示すCODは10~13。日本であれば下水のレベルだったのです」>

   また、中国事情に詳しい富坂聰氏もこういう。 <「ミネラルウォーターの品質に対する疑念は中国人の誰もが抱いています。数年前にもCNNの潜入取材で、あるミネラルウォーターの製造工場でトイレの水道から水を引いていたことが発覚しました。その工場は摘発されましたが、同様のことが行われているケースは無数にあるはずですし、有名ブランドの偽造も横行しています」>

   ハンドバックや靴の偽造なら体には影響がないが、水となると…と考え込んでしまう。

「うまくもない騎手に勝たせ続ける競馬つまらない」名ジョッキー藤田伸二JRA大批判

   騎手・藤田伸二が書いた『騎手の一分』(講談社現代新書)がおもしろい。それを『週刊現代』がとりあげ、藤田にインタビューしている。藤田は23年に及ぶ騎手人生で、1万4000回を超える騎乗回数を誇り、重賞勝利数93は歴代8位。現役最高の騎手のひとりである。その藤田が騎手生活を懸けてJRA批判をしている。

   騎手は免許制である。多くの騎手が引退後に望む調教師の道もJRAの許認可がなければ開業すらできないが、藤田は引退したら競馬界から離れるといっている。最近、突然引退した安藤勝巳も調教師にはならないという。競馬界はそれほど魅力ないものになってしまったのだろう。

   最近、武豊が終わったという声がよく聞かれる。2005年には212勝を飾り、天才の名を欲しいままにしていたトップジョッキーが昨年はわずか56勝だから限界説が流れても仕方がない状況だった。

<「でも決して豊さんの腕が落ちたわけではなかった。じゃなぜか? 答えは『いい馬に乗れなくなった』から。いくら豊さんでも、有力馬に恵まれなければ勝てませんよ。すべてはJRAにエージェント制度が導入されたことが理由です」(藤田)>

   かつては騎手はさまざまな厩舎を訪ね、自らが乗りたい馬を探し、調教師に騎乗したい旨を伝えるのが常だった。その活動の中で信頼関係を深めていくことができたのだが、10年ほど前から、厩舎に顔のきく競馬記者などが騎手に代わって乗りたい馬の調教師などにコンタクトを取り始めた。この交渉代行者をエージェントと呼ぶ。エージェントは調教師のみならず、より実権を持つ馬主にまで接触を図るようになった。その結果、<「大手馬主に強いコネを持つエージェントと契約した騎手にばかり騎乗依頼が集中する事態を生んだんだ。騎手と馬主・厩舎との信頼関係は希薄になり、馬主の『天の声』で安易に外国人ジョッキーへの乗り換わりが行われるようになった」(藤田)>

   30年前に250人以上いた騎手が今は130人になっている。競馬学校の受験者も1997年には761人いたのが2010年にはたった148人。2割以下になっている。「競馬に魅力がなくなっているんだ」と藤田はこう話す。<「今の競馬界があまりにもつまらなくなっているから。その原因は閉塞的な今のシステムを作り上げたJRAにあるとオレは思っている。いや、みんな思っているんやろうけど、やっぱりいろいろあって言えないんだろうね」>

   騎手の技術の低下にも警鐘を鳴らす。<「はっきり言って、うまくもないのにリーディング上位に入ってるやつが多くなってる。そうするとレースが面白くないから競馬ファンが減る。でもJRAは一部の大手クラブや有力馬主の顔色しか窺わない」>

   藤田がうまいとお墨付きを与えているのは武豊と、かつての岡部幸雄、田原成貴。他には横山典弘、四位洋文、フランコ・デットーリである。岩田康誠騎手は認めていない。<「康誠のように馬の背中にトントンと尻をつけるような追い方だけは、絶対に認めたくない。いくらなんでも不格好だし、なにより、馬の背中を傷めてしまうから。(中略)馬は、康誠のああした乗り方のおかげで伸びているんじゃない。繰り返しになるけど、強い馬に乗っているから、康誠は勝てているんだ」(『騎手の一分』より)>

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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