「伊勢原DV殺人未遂」警察ほったらかしウソ報告!署長に反省なし「被害者許してくれた」

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   神奈川県伊勢原市でDV被害に悩む女性(31)が元夫の貞刈詩門容疑者(32)に包丁で切り付けられた事件で、神奈川県警伊勢原署の荒牧康和署長がきのう12日(2013年6月)、警察の対応に問題があったとして被害者の女性に謝罪した。警察の対応によっては防げた可能性があり、事件が発生しないと動こうとしない警察のあり方がまたしても浮かび上がった。

不審カメラ通報しても取り合わず

   レポーターの阿部祐二の報告によると、事件が起きたのは5月21日(2013年)。女性が長男(6)を学校に連れていく途中、貞刈に包丁で首を切られ一時重体となった。約1週間意識不明だったが、ようやく5分ぐらい話ができまでに快復しているという。

   女性は2005年に貞刈と結婚したが、DVが始まりその年の暮れに警察に相談した。翌2006年、裁判所が貞刈に女性への接近禁止命令を出し、離婚後は女性は一時シェルターへ避難し、2009年に伊勢原市に住所を移した。長男には学校で偽名を使わせ、住民票の閲覧を制限する手続きをとるなど、ひっそりと用心深く暮らしていた。

   事件の起きる1か月前の4月20日、女性は自宅の敷地内にカメラを取り付けた自転車を発見し警察に通報した。対応した警察官は「ここは私有地なので私有地のものは一切手を付けることはできません」といって中を調べようともしなかったという。

   DV・ストーカー担当の警部補は自転車の所有者から探偵業者が関係していると知るが、署の幹部にも女性にもそのことを報告しなかった。「女性に電話したがつながらなかった。携帯に着信履歴を残したので折り返しの連絡を待っていた」と虚偽の説明をしていた。だが、女性の意識が戻ったことでウソが発覚した。

   阿部「女性は5月10日に不動産屋に行き、6月9日に引っ越す予定でした。警察の連絡があればもっと早く引っ越し、事件に遭わずに済んだかも知れません」。

神奈川県警は処分検討「対応が正しければ防げた」

   コメンテーターのおおたわ史絵(内科医、執筆家)「DV被害に対する危機感が警察全体でもまだまだまだ足りないとおもいますね。DVは殺人につながる怖いものだということを、社会全体で共通認識として持つことが大切ですよ。そうしないと何度も同じことが起きます」

   キャスターのテリー伊藤は警察の身勝手さと反省のなさを怒る。「警部補は罪深い。(ウソがばれるので)心の中で女性の意識が戻らない方がいいと思っていたのではないか。署長も女性が穏やか口調で今回のようなことが起きないよう希望したといっているが、まるで許してもらったような言い方だ。1日5分ぐらいしか話せない人が怒れるわけがない。それを勝手に穏やかという表現で自分たちが許してもらったような言い方をしている」

   神奈川県警は「対応が正しれば事件は防げたかもしれない」と認め、処分を検討しているという。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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